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富岡町「3・11」伝える 震災資料館整備へ 被災パトカーや3D映像

被災パトカーを訪れ、メッセージポストに添え書きを記した名刺を入れる金高警察庁長官(右・手前)

 富岡町は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の教訓を後世に伝える震災資料館の整備に向け検討に入った。町内のJR富岡駅前が候補地で、常磐線が平成30年3月までに再開通するのを見据え、町の玄関口に新たな顔を築く。被災パトカーや富岡駅の改札など町が収集した資料を展示する。町復興の情報発信拠点に位置付けるとともに、町民の心のよりどころを目指す。

 町が想定する震災資料館の施設内容は【下記】の通り。震災の津波で被害に遭った県警のパトカーや、富岡駅の改札と駅名標など、町が収集してきた震災資料を一堂に集め、公開する方向だ。震災を風化させない狙いがある。震災で破壊された「ろうそく岩」など、震災で姿が変わってしまった町のシンボルは、かつての写真などで紹介する。
 3D映像の放映は東北大の協力を受ける。原発事故発生当時の混乱した様子を生々しく残している町文化交流センター内の町災害対策本部、大きな被害を受けた富岡漁港などを取り上げる。来場者が、それぞれの場所を訪れたように感じる疑似体験ができる。
 震災発生までの町内の歴史をたどる各種資料にも触れてもらう。国内外から原発事故被害を視察に来た団体などを受け入れ、震災の教訓や復興に向かう町の姿を広く発信する。町は整備費の確保について、国などと調整を進めている。
 町は第2次災害復興計画の素案で、富岡駅東側の海岸沿いの地区を「復興祈念ゾーン」とした。原発などを海上から視察する船の発着点として富岡漁港の活用などを検討する。「ろうそく岩」跡の見学コース整備なども想定する。震災資料館は、これらの取り組みと連携していく方針だ。
 町担当者は「多くの人が来日する東京五輪までに環境を整え、国内外に震災の実情を伝えたい」と話している。

◆富岡町の震災資料館で想定される施設内容
★震災資料の展示(被災パトカー、JR富岡駅の改札や駅名標など)
★3D映像放映(町災害対策本部の会議室、富岡漁港、富岡駅など)
★町の歴史資料

■警察庁長官が献花 富岡訪れ殉職警察官に
 警察庁の金高雅仁長官は24日、東日本大震災の津波で被災した県警のパトカーを展示している富岡町の岡内東児童公園を訪れた。
 パトカーには住民の避難誘導のため出動した双葉署の署員2人が乗っていた。1人が死亡、1人が行方不明となっている。金高長官はパトカー前に設置されている献花台に花をささげた。
 メッセージポストには「使命感を持って市民を守ったあなたを忘れない」と記した名刺を入れた。
 献花後、金高長官は「福島の復興に向け、全国警察を挙げて支援していきたい」と決意を新たにした。
 金高長官は浪江町の双葉署浪江分庁舎と福島第一原発も視察した。

【背景】
 避難先で住宅を購入する町民が増えるなど、避難の長期化に伴い、町民の帰還意識の低下が懸念されている。一方で町は、帰還と移住以外の選択肢として、すぐには態度を判断しない「第三の道」を選ぶ町民も支援する方針を打ち出した。町は、選択はさまざまでも、町民が震災資料館を訪れることで、町への思いを強くしたり、復興を実感したりできるよう、整備内容を検討する。

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