東日本大震災

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すし店、東京で再開 いつか福島の魚を

都内で店を再開した藤田さん

■浪江から避難の藤田泰夫さん(63)

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故のために浪江町から東京都江東区に避難している藤田泰夫さん(63)が区内ですし店を再開した。一家そろっての避難先での再出発に「家族で助け合いながら、これまで支えてくれた江東区の皆さんに恩返ししたい」と誓っている。
 マンションの1階に開店したのは「お魚ダイニング三好」。メニューにはすしに加えて焼き魚や天ぷらが並ぶ。一家7人で切り盛りする店は昨年12月の開店後、近隣の高層マンションに住む家族連れでにぎわう。「うまいものを出し、喜んでもらえるのは浪江も東京も同じ。ネタの新鮮さと手頃な値段にこだわる」と藤田さんは生き生きとした表情を見せた。
 26歳の時から32年間、浪江町で「三好寿司」を営んできた。修業を終えた2人の息子が店に戻り一家で充実した経営ができていた矢先に震災が起きた。
 江東区の国家公務員宿舎「東雲(しののめ)住宅」に家族全員で避難した。避難後は交流組織「東雲の会」の代表として、避難住民1000人が暮らす東雲住宅の見回りや交流会を続けてきた。
 代表としての活動を通し、避難者を親身に支えてくれた周辺住民への感謝の思いなどから、東雲住宅の近くに出店を決めた。「浪江の店は請戸港で水揚げされた新鮮なヒラメやホッキ貝が人気だった。いつか、うまい福島の魚を食べてもらいたい」。藤田さんは店の厨房(ちゅうぼう)で2人の息子と腕を振るっている。

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