東日本大震災

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30年間の投稿一冊に 本紙「みんなのひろば」に掲載 「生きざま書き続けたい」

文集を手にするムラさん

 南相馬市鹿島区の森ムラさん(85)が30年にわたり執筆し、福島民報の「みんなのひろば」に掲載された投稿をまとめた文集「気がついたら86才」がまとまった。宇都宮市に住むめいの矢野澄子さん(67)が、ムラさんがとっておいた新聞記事を編集して約30部を作り今春、ムラさんに届けた。ムラさんは「びっくり仰天」と驚きながらも近所に配って喜ばれた。

 ムラさんは結婚3年で警察官の夫に先立たれ、実家の鹿島に戻って商店を開き、一人息子を育てた。気持ちに余裕ができた60歳ごろから、福島民報に投書するようになった。
 好きな山登りの話や、かわいい孫とのやりとり、身近な自然や生き物への思いなどを、ユーモアを交えながら書いた。
 震災で弟を亡くし、妹は家を流された。被災地を見舞った父親からムラさんが書きためた投書のことを聞いた矢野さんは「読ませてほしい」と送ってもらった。震災前の懐かしい日本の原風景と、その中を生きた女性の半生を感じさせる文章にひかれ、冊子にまとめた。
 ムラさんが近所に冊子を配ると「たいしたもの」「面白い」と喜ばれた。「自分の生きざまが一冊になった。これからも文章を書きたい」と話している。

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