東日本大震災

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イワシ干物で復興を後押し いわき「さすいち直売店」 十数年ぶり復活

いわきの海をPRし、復興を後押ししようとイワシのみりん干し作りに取り組む小野社長

 いわき市の小名浜魚市場近くで魚介類の販売やレストランを営む「さすいち直売店」が小名浜港に水揚げされたイワシを使い、みりん干し作りを行った。十数年前に取り組んで以来で、浜風と太陽の光でうま味を凝縮する浜の伝統技法を生かした干物作りで港町復興を盛り上げる。

 同店は東日本大震災の津波で被災したが、平成25年秋に駐車場だった場所に店舗を建て直した。震災前までは冬場に店頭で地魚の天日干しを行う光景が風物詩となっていたが、再開直後は原発事故の風評もあり屋外作業を控えていた。復活を求める顧客の声を受けて昨年、同市特産のサンマのみりん干し作りを再開した。
 イワシは小ぶりで骨も細かいため、みりん干しの製造には手間がかかる。それでも小野輝男社長(72)は「昔は魚販売業の先輩らがイワシのみりん干しをよく作っていた。地元で水揚げされた魚を使った特産として、いわきの海のPRにつなげていきたい」と話す。
 イワシは15センチほどのマイワシで「脂の乗りも良い」と小野社長。約1000匹を秘伝のたれに漬け、朝から夕方まで海風にさらした。台に並ぶ干物を見掛けた来店者が早速買い求めた。冷凍にした干物も店内に陳列された。
 小野社長は今でも消費者から、いわきの魚に不安を感じるとの声を聞く。「活気あふれる港を取り戻す努力を途切れさせてはいけない」。震災前まで地元住民や観光客の人気を集めた干物作りを通し、今後も復興を後押ししていく決意だ。

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