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福島をつくる(42) 第4部 六次産業化 だてプロジェクト(伊達)

プロジェクトが試作した「なんちゃってだて巻」

<消費者の反応探る>

 伊達市内の農産物を使って六次産業化(六次化)商品の開発を目指す「だて六次化推進プロジェクト」は平成25年10月から活動を始めた。市内保原町で居酒屋を営む木幡睦人(39)らメンバーは商品開発に向け、素材や商品について検討を重ねた。
 素材として、ニラや桃、リンゴなど、市を代表するさまざまな農産物が候補に挙がった。中でもメンバーの多くが着目したのが「あんぽ柿」と「伊達鶏」だった。

 柿を乾燥して作るあんぽ柿は、東京電力福島第一原発事故の影響で、放射性セシウムが食品衛生法の基準値を超えるとして加工自粛要請を受けたが、25年12月に一部の地域で出荷が再開する見通しとなっていた。「風評払拭(ふっしょく)の象徴として材料に使ってはどうか」。メンバーの提案に、木幡も異論はなかった。一方の伊達鶏は全国的にも知名度が高く、素材そのもので商品をPRできると期待された。
 イベントなどでの販売を視野に入れ、「手に持って食べられる」をコンセプトに商品開発が始まった。山際食彩工房(会津若松市)の社長を務める山際博美(54)をアドバイザーに迎え、試作を繰り返した。
 翌26年2月、あんぽ柿にチーズとショコラを詰めた「アンポーラ」、ナンで伊達鶏と野菜を包んだ「なんちゃってだて巻」の2つの試作品が完成した。
 「おいしい」「お酒に合いそうだ」。メンバーは口をそろえた。「これならいける」。木幡も手応えを感じた。

 プロジェクトは3月、食に精通している外部から意見を聞こうと、東京・築地市場で試作品の試食会を開いた。市場の休憩スペースを借り、訪れる観光客らに味わってもらった。味や見た目、購買意欲などのアンケートに約200人が協力してくれた。
 だが、アンポーラの評価は芳しくなかった。あんぽ柿の特徴である甘みが「くどい」とされてしまった。当時の伊達市産業部長で、プロジェクトの発足に携わった佐藤芳明(59)は「新しい食べ方が生まれたと喜んでいたが...。関東の人には受け入れてもらえなかった」と肩を落とした。あんぽ柿は冬の特産品で、通年で材料を確保できないという難点もあった。風評払拭が期待された商品開発は暗礁に乗り上げた。
 一方の「なんちゃってだて巻」は手軽さや鶏のジューシーさが受け、一定の評価を得た。プロジェクトは伊達鶏に焦点を絞った商品開発へと向かった。(文中敬称略)

カテゴリー:福島をつくる-未来への挑戦

「アンポーラ」

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