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福島をつくる(57) 第4部 六次産業化 ミデッテ(東京)

県内産の六次化商品が並ぶ棚をチェックする加藤

<大消費地とつなぐ>
 「いらっしゃいませ」「ごゆっくり、ご覧ください」。県産品が並ぶ館内に、スタッフの元気な声が響く。東京・日本橋の目抜き通りに立地する県の首都圏情報発信拠点「日本橋ふくしま館 MIDETTE(ミデッテ)」は連日、商品を買い求める首都圏の消費者でにぎわう。
 平成26年4月のオープンから1年2カ月が過ぎた。初年度の来館者は、目標とした20万人の2倍近い38万3000人に上った。1日平均で1000人以上が足を運んだ計算になる。売り上げは3億3000万円で目標の3億円を超えた。
 館長の加藤泰広(47)は活況を呈する館内を見渡し、表情を引き締めた。「首都圏の人々が何度でも訪れたくなる施設にする。消費者に選んでもらえる商品展開が欠かせない」

 ミデッテは県内の生産者や事業者が手掛けた加工食品、日本酒、工芸品など約2500種類の商品を販売するとともに、観光PRを展開する施設だ。ジャムやジュースをはじめとした果物の加工品、菓子類、漬物などの六次化商品が人気を集めている。
 スタッフは都内で開かれる催しなどにも積極的に出店し、県産品をPRしている。ただ、首都圏には全国の自治体が設置したアンテナショップがひしめく。それぞれが地元の特産品の売り込みにしのぎを削る。一方、県産品には東京電力福島第一原発事故による風評が根強く残る。全国の商品から選ばれる逸品として人気を定着させるには、生産者や事業者、販売する店舗のさらなる努力が欠かせない。
 「マーケティングをもっと重視すべき」。加藤は県産の六次化商品が全国の支持を集めるためには、消費者が求める味やパッケージ、価格を的確に把握し、商品に反映させる必要があると指摘する。

 ミデッテは催事、実演、飲食の各コーナーを設け、県内の自治体や団体、事業者に貸し出している。開発した加工食品などを来館者に食べてもらい、首都圏の消費者の嗜好(しこう)を直接知ることで、商品力の向上に役立ててもらうのが狙いだ。
 コーナーで展開される催事などの情報はホームページやチラシで発信する。商品を手掛けた県内事業者と直接会うのを楽しみに訪れる消費者も少なくないという。これまでに延べ300を超える自治体や団体、事業者が利用した。
 「福島の生産者と事業者、首都圏の消費者を結びつける場にしたい」。加藤は、古里と大都市圏をつなぐ役割を担う決意を新たにしている。(文中敬称略)

カテゴリー:福島をつくる-未来への挑戦

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