東日本大震災

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【試験操業開始から3年】 佐藤弘行相馬双葉漁協組合長に聞く

 相馬双葉漁協の試験操業は14日で3年を迎えた。対象魚種は64種に拡大しているが、本格操業再開への見通しは立っていない。佐藤弘行組合長に、今後の展望や東京電力への対応などを聞いた。
 
 -試験操業開始から3年が過ぎた。現状は。
 
 「魚種は増え、漁場も拡大し充実してきた。ただ、ヒラメなど主力品種で対象になっていない魚種がある。原発の港湾内から採取された魚から高い値の放射性物質が検出されるケースがあるためだ。ただ、港湾外のサンプルから高い値は出ていない。ヒラメが試験操業の対象になるよう、国、県に働き掛けていく」
 
 -3年が過ぎて変化は。
 
 「試験操業に加わる漁業者が増えてきた。魚が水揚げされることで水産加工、仲買、宿泊・飲食施設など漁業を取り巻く業者にも動きが出てくる。復興に向け漁業者が漁業から離れることがあってはならない」
 
 -いわき沖ではいわき市漁協などが試験操業している。
 
 「情報交換を密にし、足並みをそろえて進めている。放射性物質検査で安全性が確認されても、他地域産に比べて敬遠され、風評が根強いことは共通の悩みだ。魚の安全性を理解してもらえるよう地道に取り組みたい」
 
 -原発建屋周辺の井戸「サブドレン」からくみ上げた地下水を浄化した上で海に流す東電の計画への対応は。
 
 「先月下旬の説明会に加え、7地区で地区懇談会を開き、東電から説明を受けている。漁業者からさまざまな受け止めがあることを承知している。漁協の理事会で今後の対応などを検討していくことを決めている。どういう形での意見集約が良いか検討したい」
 
 -今後の展望は。
 
 「相馬市が原釜地区の松川浦漁港に整備している荷さばき施設や共同集配施設は来年3月までに完成する。漁協の本所も以前の場所に戻る。魚種拡大など試験操業の中身を充実させ、本格的な漁の再開につなげたい」
 
□さとう・ひろゆき 相馬市出身。宝精丸船主。旧相馬原釜漁協理事を経て平成15年10月の7漁協合併当初から相馬双葉漁協理事。25年7月から組合長を務めている。59歳。

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