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今を生きる 食の魅力発信続ける 料理一筋 避難者に提供も

鈴木総料理長に料理のアドバイスをする椎根さん(右)

■ホテルリステル猪苗代調理部顧問 椎根保則さん (65)

 猪苗代町のホテルリステル猪苗代で22年間にわたり、総料理長としてホテルの味を支えた椎根保則さん(65)は今月、同ホテル調理部顧問に就任した。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故発生直後は双葉町などの避難者約860人に食事を提供し、励まし続けた。「福島の食材の素晴らしさを発信したい」と復興に向け、新たな一歩を踏み出す。
 本宮高卒業後の昭和44年3月、日本ビューホテルに入社し、料理人としての道を歩み始めた。平成2年、地元郡山市に開業したホテルハマツの西洋料理課長に就き、5年にホテルリステル猪苗代の総料理長に迎えられた。
 同年、同ホテルは18階建ての新館ウイングタワーのオープンを控えていた。総料理長としての最初の仕事は、共に働く料理人を集めることだった。各地を訪ね歩き、椎根さんの情熱に共感した和・洋・中の調理師約50人が集まった。
 昭和53年の宮城県沖地震の経験を生かし、震災発生後は、いち早く食材を確保して料理を提供した。避難者にも気持ちを込めた温かな料理を出し続けた。
 フランス語でつづったレシピのノートは70冊以上に上る。新たに総料理長に就いた鈴木佳人さん(50)をはじめ後輩に引き継ぎ、料理人としての心構えや努力の大切さを伝える。今後は全国各地を巡り、県産食材の魅力を伝える考えだ。「いつかは客として、ホテルで料理を食べてみたい」と話している。

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