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【震災から4年4カ月】「試験操業4年目」対象64魚種に拡大 漁獲量 震災前の3% 汚染水問題 本操業見通せず

試験操業でタコを水揚げする漁業関係者=3日、相馬市の松川浦漁港

 東京電力福島第一原発事故を受け、全面休漁となった本県沖で行われている試験操業は4年目に入った。安全検査を積み重ねてきた結果、対象は当初の3魚種から64魚種に増えた。しかし、漁の回数が限定されている影響などで漁獲量は東日本大震災前の約3%にとどまっている。福島第一原発の汚染水問題などが足かせとなり、本操業再開の見通しは依然として立っていない。

 試験操業は、相馬双葉漁協が平成24年6月に相馬沖で、いわき市漁協が翌年10月、いわき沖でそれぞれ始めた。
 対象魚種は当初、ミズダコ、ヤナギダコ、シライトマキバイ(ツブ貝)の3魚種でスタートした。県の放射性物質検査で複数回、放射性セシウムが食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を下回るなどして安全性が確認されたマダラ、マガレイ、コウナゴ、ホッキガイなども加わり64魚種となった。本県の主力品種であるヒラメをはじめクロダイ、アイナメなど国から出荷制限を受けた29魚種が依然として対象外となっている。
 県は昨年度、魚介類8726点について放射性物質検査を実施した。食品衛生法の基準値を超えたのは0・5%の48点で、平成23年度の34・2%(検体数・1045点)から33・7ポイント下がった。原発事故で放出されたセシウム134は半減期を過ぎた。魚介類の体内から放射性物質の排出が進んだことも加わり、基準値を超える検体が減ったと県水産課はみている。
 一方、漁獲量は震災前、約2万5000トンだったが、26年度は700トンと大きな開きがある。県産水産物に対する市場の需要が回復せず、試験操業の回数が限られていることから水揚げは大きく増えていない。
 県によると、試験操業で水揚げされた魚介類は県外の市場で震災前と同程度か、多少安い価格で取引されている。「一歩ずつ本操業再開を目指す福島の漁業を応援しよう」と考える関係者も多いという。

■漁業復興へ拠点整備
 水産業の復興拠点となる施設整備が相馬市で進む。
 松川浦漁港では、東日本大震災の津波で被災した漁業関連施設などの再建工事が行われている。市が国の復興交付金を活用し、魚介類の仕分け、梱包(こんぽう)をする共同集配施設を設ける。場所は試験操業で水揚げが行われている相馬原釜地方卸売市場の北側で、工事は6割ほど完了した。9月の完成を目指している。市場の西側には来年3月までに、魚介類の競りを行う荷さばき施設が完成する予定だ。
 磯部地区にはコウナゴ、シラス、ゆでたツブ貝などの水産加工流通施設が建てられる。完成後は相馬双葉漁協と事業者でつくる組合が共同利用し、継続的な出荷を目指す。
 一方、3月にオープンしたいわき市の新小名浜魚市場では、敷地内の凍結品荷さばき施設の利用が始まった。船内で凍らせた冷凍カツオなどを仕分けし、近くにある県漁連の新冷凍冷蔵施設などに保管する。
 エアカーテンを使用し徹底した衛生管理を行っている同魚市場には、一般向けの見学デッキが設けられている。県外の水産関係団体などの来場が増えているという。

カテゴリー:震災から4年

凍結品荷さばき施設で選別される冷凍カツオ=新小名浜魚市場(小名浜機船底曳網漁協提供)

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