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JAEA国際研究棟は富岡軸に 県、近く国と協議

 日本原子力研究開発機構(JAEA)が県内に新設する廃炉国際共同研究センター付属研究施設「国際共同研究棟」は富岡町への設置を軸に検討される。町は早ければ平成29年4月の帰還開始を目指しており、町再生の起爆剤になると期待される。県は近く国との具体的な協議に入るもようだ。

 複数の関係者の話を総合すると、富岡町は中心部から東京電力福島第一原発までの直線距離が約9キロで、研究者が現場と行き来しながら廃炉研究に取り組める立地環境にある。さらに、双葉郡の沿岸6町のうち公的な復興関連施設の設置が決まっていないのは同町だけで、地域の均衡的発展につなげる狙いもあるとみられる。
 町は6月に策定した第二次町災害復興計画で、拠点施設の誘致を重点プロジェクトの1つに据え、現在、居住制限区域となっている町役場周辺を候補地とした。研究棟を新たな産業技術の開発、産業再生・創出の核と位置付ける。
 宮本皓一町長は17日、内堀雅雄知事に町内への研究棟設置を要望した。終了後、記者団に「研究棟が誘致できれば、(他の関連施設や企業の進出が)波紋のように広がる。本格化すれば、住民が帰町しようという気持ちになると思う」と期待感を示した。
 ただ、国は研究棟の28年度の運用開始を目指すとしている。研究者の住居や買い物などの生活環境の整備が必要で、町が受け入れ態勢を整えられるかなどの課題もある。
 富岡町以外にも誘致に意欲を見せる自治体が複数ある。県は状況を慎重に見極めた上で、JAEAを所管する文部科学省との協議に入るとみられる。同省は「県の意見を尊重しながら設置箇所を検討したい」としている。
 研究棟は政府の福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想に盛り込まれた拠点施設の1つ。国内外から研究者約150人が集う。廃炉人材の育成のためにも活用する。国は今年度と来年度の2カ年で総額13億円の整備事業費を確保する方針だ。
 イノベーション・コースト構想の拠点施設整備では、原子炉と同規模の模型で各種実験を行うモックアップ試験施設を楢葉町、放射性物質分析・研究施設を大熊町にそれぞれ整備することが既に決定している。浪江、双葉両町にまたがる沿岸部は、復興祈念公園の整備候補地となっている。広野町では今春、東日本大震災と福島第一原発事故からの教育復興のシンボルを目指し、国際的に活躍する人材育成など先進的な取り組みを進める県立中高一貫校「ふたば未来学園高」が開校した。

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