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県内全域対象を継続へ 経産省の企業立地補助金 県要望受け方向転換

 経済産業省は平成28年度以降、東京電力福島第一原発事故の避難区域が設定された12市町村に絞って継続する検討を進めていた「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金」について、引き続き県内全域を対象とする方針を固めた。産業基盤強化を狙う県の要望を受け、方向転換したとみられる。同省は12市町村限定で、住民帰還を後押しする企業向け補助制度の新設も目指す。
 宮沢洋一経産相が21日、自民党県選出国会議員団からの要望活動で、企業立地補助金などに対する考えを示した。
 関係者の話を総合すると、経産省は企業立地補助金の現状維持と補助制度新設について、金額を明示しない事項要求として28年度予算概算要求に盛り込む見通し。企業立地補助金の補助率は現状のままで、避難指示解除地域で原則として最大3分の2、中通りと会津地方で最大3分の1とする方向で内部調整している。
 企業立地補助金をめぐっては、利用状況が減少傾向にあるとして対象地域の縮小を検討する動きが出ていた。これに対し、県や市町村などは「産業復興は本格化していない」と反発、県内全域での継続を求めている。
 12市町村を対象にした新たな補助制度は、補助率を最大4分の3とする案が浮上している。製造業や商業、サービス業などが対象で、避難指示解除に伴う事業者の用地取得や設備導入などの初期投資費用を手厚く支援する。小売店などを含めた身近な事業所の開業も後押しし、古里に戻った住民の生活の利便性向上と、働く場確保を目指す。地元業者の営業再開支援も視野に入れている。
 経産省は今後、財務省など関係省庁と企業立地補助金の継続などに向けた協議に入る見通し。ただ、県内の雇用状況を全国平均レベルに回復させるためには28年度からの5年間で1500億円の財政措置が不可欠とする試算があり、予算規模をめぐり財務省との折衝は難航も予想される。
 宮沢経産相は、自民党県選出国会議員団に対し、「しっかりと受け止め、財政当局と交渉したい」と述べた。

※津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金 雇用創出や産業活性化を目的に、政府が平成25年度に創設した。福島、青森、岩手、宮城、茨城5県が対象。本県は県内全域で、工場立地のための初期投資や土地取得費、建物・機械設備の取得費などが補助される。補助率は企業規模や被災地域などによって異なる。県の地方振興局別採択件数はこれまで相双51件、いわき43件、県中26件、県南25件、県北24件、会津10件、南会津2件の計181件。

カテゴリー:福島第一原発事故

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