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【震災から4年6カ月】環境省福島環境再生事務所長 関谷毅史さん 用地交渉丁寧に説明

 県が中間貯蔵施設の建設を受け入れてから1年が経過した。除染廃棄物のパイロット(試験)輸送も3月に始まった。施設をめぐる現状と課題について環境省福島環境再生事務所の関谷毅史所長(49)に聞いた。
 
 -8月15日時点で地権者のうち契約に至ったのはわずか7人。用地確保をどのように進めているのか。
 
 「約2400人の地権者のうち、半数の約1200人の連絡先を把握した。8月半ばまでに950人を個別訪問し、事情などを説明した。そのうち約660人からは物件調査の承諾を得ている。調査結果を踏まえて、補償額を算定するが、額を出すには少なくとも三カ月程度かかる。算定が済んだ人からできるだけ早く補償額を提示できるように努めている」
 
 -具体的に再生事務所はどう対応しているのか。
 
 「再生事務所は人員増など用地確保に向けた体制を順次強化している。地権者にも可能な限り丁寧に説明し、理解を求めていく」
 
 -試験輸送が始まって半年を迎える。これまでの評価を聞かせてほしい。
 
 「対象43市町村のうち、13市町村から搬出を始めた。このうち十市町村で作業を終了した。浅川町については試験輸送で除去土壌の搬送全てを終了した。輸送ルートには誘導員を配置し、看板を設けたほか、土壌の飛散や流出の対策も講じた。その結果、輸送は順調に行われている。今後は輸送量の増加に備えて、市町村の意見も聞きながら、さらなる対応を検討する」
 
 -庭先などで埋設する現場保管が10万カ所を超えた。本格輸送の開始時期や輸送を終える見通しなどを早く示してほしいとの声が上がっている。
 
 「県内では現場保管が増えている。仮置き場の箇所数や保管量も増加している。このような場所を抱える自治体、さらに自宅に保管している住民から本格輸送の日程提示を求める意見があり、私たちも必要性を認識している。中間貯蔵施設の本格整備の前提となる用地取得の見通しをできるだけ早く立て、それを踏まえて輸送のスケジュールを提示したい」
 
 -中間貯蔵施設の廃棄物を30年以内に県外で最終処分する法律が成立した際の付帯決議や環境省と県、立地町が交わした安全確保協定には工程表の作成が盛り込まれた。工程表はいつごろ提示できるのか。
 
 「中間貯蔵施設に運び込まれた土壌の減容化や再生利用の技術開発の検討会が7月に発足した。今年度内に検討内容を取りまとめたい。この結果を踏まえた上で、まずは技術開発面を中心とした工程表を提示したい」
 
 せきや・たけし 栃木県那須烏山市出身。東京大大学院工学系研究科都市工学専攻修士課程修了。平成3年、厚生省入省。前任は環境省水・大気環境局総務課除染渉外広報室長。平成25年7月から現職。
 

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