東日本大震災

「福島第一原発事故」アーカイブ

  • Check

サーフィン"聖地"復活 震災後初12日全国大会 原町の北泉海岸

大会が開かれる南相馬市原町区の北泉海岸。少しずつサーファーが戻ってきている

 県サーフィン連盟は10月12日、東日本大震災後初となる全国規模の大会を5年ぶりに南相馬市原町区の北泉海岸で開く。愛好者が震災と東京電力福島第一原発事故でにぎわいをなくした国内有数のサーフスポットを復活させ、被災地を元気づける。サーフィンが東京五輪の追加種目に提案され、注目が集まる中、大会関係者は熱い思いで準備を進めている。

 「サーフィンの聖地『北泉』の復興の1歩にしたい」-。
 県サーフィン連盟理事長の室原真二さん(47)は原発事故で同市小高区から避難する福島市で、間近に迫った大会「復活祭-サーフチャレンジin北泉」への思いを口にした。
 大会には遠くは愛知をはじめ、東京、千葉、新潟、宮城、岩手各都県から参加の申し出が相次ぎ、予定の150人を超え200人がエントリーする見込み。室原さんは大会を成功させ、来年は日本サーフィン連盟の公認大会を開きたいと考えている。
 震災と原発事故前、北泉海岸は多くのサーファーであふれていた。地形が生み出す程よい波と、きれいに整備された海岸は、全国でも有数の人気スポットとして多くの愛好者が訪れていた。
 しかし、震災と原発事故以降、海から人影が消えた。室原さんら県サーフィン連盟のメンバーは、津波で犠牲になった仲間やその家族の気持ちを考え、海に出るのを自粛してきた。自分たちにできることをしようと、海岸に慰霊碑を建て、毎年3月11日に合わせ慰霊祭を行ってきた。
 ビーチの清掃活動を積極的に繰り広げ、独自に海水の放射性物質検査に取り組み、福島の海の安全性も裏付けた。「自分たちは海の恩恵を受けてきた。海に命を奪われた人々を弔い、古里を取り戻したい」との思いがあったからだ。
 「海ににぎわいを戻してほしい」。全国の仲間や北泉行政区長の台野直さん(64)ら地元の励ましが大会開催への背中を押した。8月に千葉県で開かれたサーフィンの全国大会で、知人から「また南相馬でサーフィンをしたい」との激励の声にも勇気づけられた。
 あの日から4年半が過ぎ、少しずつサーファーが戻ってきた。室原さんは鎮魂の思いを胸に、前へ進む決意だ。

※北泉海岸 平成18年から東日本大震災前まで世界プロサーフィン大会をはじめ、全日本選手権や東日本選手権が開かれ、国内外からサーファーが訪れていた。南相馬市は旧原町市時代からサーフィンをまちづくりに生かすサーフツーリズム推進事業を展開しており、交流人口拡大に貢献していた。

カテゴリー:福島第一原発事故

「福島第一原発事故」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧