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除染労働違反6割強 賃金不払い目立つ 県内事業者

 福島労働局が平成27年上半期(1~6月)に県内で除染作業を請け負ったうちの342社を検査した結果、68%に当たる233社で労働基準関係法令違反があった。同労働局が9日、発表した。作業員への割増賃金不払いや、作業時の被ばく線量を正確に測定していないケースなどが目立つ。違反率は以前から改善されておらず、市町村から「労働環境を整えないと作業員が不足し、将来的に除染が遅れる可能性もある」とする指摘が出ている。

 福島労働局は県内で国と市町村が実施している除染業務の請負業者を対象に、県民からの情報に基づき法令違反が疑われると判断した342社を抜き打ち検査した。
 25年から27年までの上半期の検査状況は【グラフ】の通りで、今年の違反率は前年同期より8・7ポイント上昇した。233社で364件の違反があった。1社当たりの件数は1・6件に上っている。
 労基法違反の項目では「割増賃金の支払い」が49件と最も多く、週40時間を超す時間外労働に対する不払いなどが含まれている。労働安全衛生法・除染電離則関係では、現場土壌の放射性物質測定などを怠った「事前調査不足」が39件、線量計を正しく装着させなかった案件など「放射線量測定での違反」が34件を数えた。
 除染業務には元請けと複数の下請け業者が関わっている。同労働局は、元請けが下請けの作業員の労働実態を十分把握し切れないケースもあるとみている。このため、元請けのゼネコン関係者を集めた会議を開き、元請け・下請けとも法令順守を徹底するよう呼び掛けていく。高橋仁監督課長は「元請け業者も作業現場を確認するよう促していきたい」としている。

■事業者「残業代賄えない」
 福島労働局によると、割増賃金の不払いがあった事業者の多くが「作業の請負額では、割増賃金(残業代)を賄えない」などと説明している。
 福島民報社の取材に応じた2次下請け業者の場合、作業の見積単価表の「1人当たり日額6600円」とする特殊勤務手当を元請けに請求したが、支払われないケースがあった。
 同社社長は「特殊勤務手当は工事費に含まれており、単価表は事務員が書き間違えたと言われた」と説明し、元請けとの契約更新は見送る考えだという。

■人材不足懸念も 「業界全体で守る態勢を」
 1日約5千人が除染作業に当たっている飯舘村の担当者は福島労働局の検査結果について、「作業員の労働環境を業界全体で守る態勢を整えないと、将来的に人材が集まらなくなる」と指摘した。
 伊達市の除染担当者は「法令に触れる部分があるのならば、しっかり改善してもらいたい」などと求めた。

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