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海側遮水壁が完成 港湾内流出大幅減へ 第一原発

 東京電力が福島第一原発で汚染された地下水の海洋流出を抑える柱として建設を進めていた海側遮水壁が完成した。東電が26日、発表した。港湾内への流出量は1日400トンから10トンと大幅に減る見通し。東日本大震災と原発事故から4年7カ月余。汚染水対策は大きな節目を迎え、今後は建屋内への地下水の流入を防ぐ凍土遮水壁の運用などが焦点となる。
 東電によると、海側遮水壁は総延長780メートルで、594本の円筒状の鋼材を壁のように並べて打ち込んだ。26日午前9時40分ごろ、鋼材の隙間にモルタルを注入する止水工事の完了を確認し、一連の作業を終えた。
 地下水の流れをせき止めることで、港湾内への地下水の流出量は1日400トンから10トンに減らせ、放射性セシウムやストロンチウムは40分の1、トリチウムは15分の1まで低減できると試算している。
 せき止められた地下水は建屋周辺の井戸「サブドレン」や護岸近くの井戸「地下水ドレン」でくみ上げ、浄化した上で海洋放出する。これにより地下水の上昇を防ぐ。今後1カ月程度かけ、港湾内の海水に含まれる放射性物質の濃度などを分析し、遮水壁の効果を確認する。
 東電は平成24年4月に遮水壁の建設を開始した。26年9月の完成を目指していたが、水位が上昇して地表にあふれ出る恐れがあったため、約10メートルを残して工事を中断していた。今年8月、県漁連が「サブドレン計画」の受け入れを決定したのを受け、9月から工事を再開していた。
 遮水壁の完成を受け、県原子力安全対策課は「汚染水の低減につながるだろうが、運用に当たっては地下水位のコントロールを徹底してほしい」と求めた。県漁連の野崎哲会長は「港湾内の放射性物質濃度が目に見えて改善されると期待している。引き続き、注意深く廃炉作業を進めてほしい」と注文した。
   ◇  ◇
 今後は建屋内への地下水の流入をいかに防ぐかが課題になる。現在、1日約160トンの地下水が流入し、汚染水になっている。東電は、東京五輪・パラリンピックが開催される32(2020)年内に地下水の流入をなくし、建屋にたまっている汚染水をほぼゼロにする計画。当面は建屋内への地下水の流入を氷の壁で抑える凍土遮水壁を運用させるなどし、28年度中に流入量を1日当たり100トン未満に減らす方針。

カテゴリー:福島第一原発事故

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