東日本大震災

「福島第一原発事故」アーカイブ

  • Check

農業人口初の10万人割れ 原発事故で離農加速 避難区域除く県内

 農林水産省は27日、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後初となる平成27年の「農林業センサス」(速報値)を発表した。原発事故で調査ができない避難指示区域を除いた県内の農業就業人口は約7万7000人で、初めて10万人を割り込んだ。県は「高齢化に加え、原発事故に伴う風評や農作物の価格下落が影響し、離農が加速した」と分析。担い手育成や農地の集約化などの対策を急ぐ。
 前回(22年)調査に比べ約3万1000人、29・0%減少した。平均年齢は67・1歳で、全国平均を0・8歳上回った。

 調査は5年ごとに実施しており、今回は今年2月1日時点の数値をまとめた。原発事故に伴い、26年4月1日時点で避難指示区域だった楢葉、富岡、大熊、双葉、浪江、葛尾、飯舘各町村全域と、南相馬、川俣、川内各市町村の一部地域は調査ができず、対象外とした。
 このため、県は前回調査から避難指示区域分を除いた比較結果もまとめた。それによると、前回調査の農業就業人口10万9048人のうち、7297人は避難指示区域分に相当する。今回調査の人口は7万7435人で、仮に避難指示区域の7297人全員が農業を続けているとしても、8万4732人となり、10万人を割り込む計算だ。

 減少率は23・9%となるが、全国平均の19・8%を4・1ポイント上回る。
 年齢階層別の減少数は、70~74歳が6144人(前回調査比33・7%減)、75~79歳が5014人(同28・5%減)、55~59歳が4266人(同44・4%減)といずれも大幅に減った。
 政府や県は農地集約に力を入れているが、一経営体当たりの耕地面積は1・90ヘクタールで、前回調査に比べ0・19ヘクタール増と小幅な伸びにとどまった。過去1年以上作付けせず、今後も数年間耕作する予定がない耕作放棄地は2万5215ヘクタールで、前回調査の2万824ヘクタールに対し2割以上増加し、過去最大を更新。避難区域分を差し引いても都道府県別で最多だった。
 環太平洋連携協定(TPP)で安価な農産物が流入すれば、農業就業人口の減少がさらに加速する可能性もある。県は今後、農地の集約・集積とともに、より高い収益が期待できる農業法人の設立などを促す方針だ。JA福島中央会も行政と連携し、担い手の育成・支援に力を入れる。

カテゴリー:福島第一原発事故

「福島第一原発事故」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧