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秋山氏の遺作損傷 震災で損壊「花の写真館」収蔵 市確認、修復急ぐ

かびが生えた収蔵作品の一部(秋山庄太郎写真芸術館提供)

 休館中の福島市写真美術館「花の写真館」で収蔵している写真家・故秋山庄太郎さんの写真320点のうち、確認されただけで100点近くがかびで傷んだり、劣化したりしていることが8日分かった。東日本大震災で建物の一部が損壊し、保管状況が適切でなかった可能性もある。市は作品の修復を目指すとともに、花見山の名を全国に広める契機となった「福島の宝」の展示再開に向けて施設の復旧整備を急ぐ。
 秋山さんの遺族らが中心となって運営している秋山庄太郎写真芸術館(東京)の上野正人館長と秋山さんの長女上野紀子さん、同芸術館の主任学芸員が震災後の状況を確認する途上で損傷を見つけた。
 確認を終えた収蔵作品150点のうち、3分の2ほどの約100点にかびが生えたり、印画紙の銀が浮かび上がったりしていた。秋山さんが愛した花見山の写真をはじめ、先日亡くなった女優原節子さん、女優の故夏目雅子さんのポートレートなど貴重な作品ばかり。残る作品も損傷している可能性がある。作品はいずれも秋山さんが制作したオリジナルプリントで、秋山さん亡き今は同じ作品は生み出せない。
 花の写真館は秋山さんが平成13年に福島市ふるさと栄誉賞を受けた際の返礼として市に寄贈した120点と、市が購入した200点を所蔵している。
 市などによると、損傷や劣化が震災前からあったのか、休館が影響しているのかは不明。しかし、被災した建物内で保存していたことに疑問を呈する声が上がっている。
 上野館長はかびの除去や作品を額に入れるなどの対策の必要性を強調する。「写真の保存法は進歩しており、作品の現状を考慮した収蔵法とすべき」と指摘する。
 市教委文化課の斎藤義弘課長と高野博之係長は8日、写真館の収蔵庫で状況をあらためて確かめた。斎藤課長は「専門家の意見を参考にしながら現状を確認した上で、手順を踏んで展示再開を検討する」と語った。

■12月議会に耐震解析業務費計上
 花の写真館は震災で玄関上部の装飾壁に亀裂が入り、外壁の一部と内壁のしっくいなどが崩れて休館している。市は約1400万円をかけて地質と構造の調査を実施した。開会中の12月議会に耐震解析業務費850万円を計上した。今後、耐震補強・修復改修の設計をした上で着工する方針。

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