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ドローン実証へ国内拠点 相双有力 来年度にも供用開始

 経済産業省が浜通りに整備する小型無人機(ドローン)試験場の概要が判明した。ドローンの実証試験に必要な研究開発施設や管制塔、滑走路、作業用ピットなどを備えた国内唯一の拠点にする。機体の認証や操縦者の検定も行うことで、周辺地域への関連産業を誘致し、雇用創出につなげたい考えだ。早ければ平成28年度内にも供用を開始する。

■機体認証、操縦検定
 試験場は、浜通りをロボット研究開発の最先端地域にする福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想に基づき、ロボットテストフィールド内に設ける。候補地として相双地方が有力視されている。
 研究開発施設はドローンの開発や実証試験の中核となる。滑走路は長距離飛行に適した固定翼機の離着陸のために設け、管制塔で周囲数キロの空域を管理する。作業用ピットでは、ドローンなどの分解や組み立て、修理などを行う。
 国内の既存の飛行試験場では、無人の空域を十分に確保できない点などが課題だった。経産省は、相双地区では避難区域なども活用することで、一定の空域を確保できるとみている。
 試験場では、ドローンの開発や実証試験だけでなく、機体の認証や操縦者の検定も行う。ドローンをめぐっては、機体の安全性や操縦者の技術などの面で統一基準がないため、経産省は産業利用を拡大するには公的な機体の認証と操縦者の検定が必要だと判断した。これらの機能を持たせることで、周辺地域への産業集積が進み、雇用創出にもなるとみている。県幹部は「施設を利用する新たな企業を誘致し、産業復興につなげたい」としている。
 経産省は28年度当初予算案にイノベーション・コースト構想の推進に向けた事業費として143億円を計上する方向。施設の運営は将来的に利用者からの徴収による独立採算型の仕組みを構築する予定だが、運営主体を国、県、民間のどこが担うかをめぐり協議が難航しており、今後の調整が焦点となる。

■15年後推計市場規模30倍
 経産省は42(2030)年にドローンの市場規模が30倍以上の1000億円規模に成長すると推計している。3年以内にドローンの宅配事業の開始を目指しており、試験場を拠点に普及拡大させる方針だ。
 11月5日に首相官邸で開かれた「未来投資に向けた官民対話」で安倍晋三首相は「早ければ3年以内にドローンを使った荷物配送を可能とする」と明言した。
 県内では日本原子力研究開発機構(JAEA)の楢葉遠隔技術開発センターなど、試験場と連携可能な拠点施設が複数整備されている。さらに、総合製造業「菊池製作所」(本社・東京)が南相馬市小高区の南相馬工場でドローンの量産に国内で初めて乗り出すなど、他県にない優位性がある。

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