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電飾で"光の海" 来月15~24日いわき・21世紀の森公園

針金に電球を取り付ける若松さん(左から4人目)ら

 いわき市の21世紀の森公園に来年1月15日から24日まで、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興を願う約2万個の電飾がともる。「いわきの誇りである海を光で表現したい」。市民有志でつくるNPO法人が初めて企画した。取り組みを継続し、新たな冬の風物詩として観光客を呼び込む。

 いわき市常磐藤原町の藤原公民館に、電飾の計画を進めるNPO法人「いわきイルミネーションプロジェクトチーム」のメンバーが毎晩のように集まってくる。「絶対に成功させよう」。生き生きとした表情でパイプに針金を巻き、発光ダイオード(LED)電球を取り付けていく。海をイメージした光の帯は21世紀の森公園の「集いの広場」で輝く。
 企画を考えたプロジェクトチーム理事長の若松圭子さん(46)は市内勿来町出身。幼いころから海は身近な存在だった。震災で津波被害を受けた市内沿岸部では徐々に高い防波堤が姿を見せ、海が視界からさえぎられる場所が増えている。市内の海水浴場は今年も9カ所のうち7カ所が休止となった。
 「海が遠い場所になってしまった。いわきのにぎわいまで失われてしまう」。若松理事長は平成24年に旅行先の神奈川県相模原市で見たイルミネーションを思い出した。「光の海をつくり、市民の宝物にしよう」。知り合いの会社員、主婦らに声を掛け、有志11人で昨年9月にNPO法人を発足させた。
 今回の費用は約30万円を予定している。会員からお金を集め、県の公益信託うつくしま基金事業の補助を受けて一部を賄う。予算に見通しが付いたが、照明に関する知識がない。大阪府の照明デザイナーを招いて指導を受けた。「美しく仕上がるだろうか」と不安もある。それでも、メンバーは「市民、被災者、観光客みんなに幻想的な電飾を見てもらいたい」と思いを一つに準備に励んでいる。
 「環境への配慮」をテーマに、発電には太陽光パネルを利用する。市民有志でつくる「いわきおてんとSUN企業組合」から設備を借りる。
 いわき市は平成28年度、市制施行50周年を迎える。古里の記念の年を盛り上げようと、来年夏と冬にも公園に電飾を飾る予定だ。地元のフラチームと連携し、市民が参加するダンスイベントなども開く。将来的には約200万個の電球を使って海を表現する構想もある。若松さんは「多くの人の心に、ほっとする明かりをともせる催しにしていきたい」と誓っている。
 市内では夏場に比べ冬場の観光客が少ない。プロジェクトチームの取り組みについて市観光振興課の担当者は「夜間に人を集めるイベントが足りない。公園に輝く電飾が人を呼ぶきっかけになってほしい」と期待している。

■点灯時間は午後5~8時

 電飾の点灯時間は午後5時から午後8時まで。21世紀の森公園は市の施設で、市公園緑地観光公社が管理している。アクセスは常磐自動車道いわき湯本インターチェンジから車で20分、JR常磐線湯本駅から車で5分。問い合わせはNPO法人いわきイルミネーションプロジェクトチーム 電話0246(65)4766へ。

カテゴリー:福島第一原発事故

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