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溶融燃料調査ロボット 日英共同開発へ

 文部科学省は平成28年度に東京電力福島第一原発の格納容器底部の水中にある溶融燃料(燃料デブリ)の調査に向け、英国の大学や国内の研究機関と共同で超音波ソナーを搭載した水中小型ロボットの開発に着手する。日本原子力研究開発機構(JAEA)の楢葉遠隔技術開発センターでの実証実験を想定している。ソナー技術とロボット開発で実績のある日英双方の技術融合で廃炉の加速化につなげる。

 開発を目指すのは本体直径100ミリ程度の小型水中ロボットで、超音波の反射で対象物の位置をつかむソナーを搭載する。格納容器底部は津波による甚大な損傷で活動範囲が狭まっており、小型化が不可欠。ソナーは水質汚濁に左右されず調査可能で、溶融燃料の位置や形状の把握で廃炉作業の前進を目指す。
 日英の共同開発は文科省の「廃炉加速化研究プログラム」に採択された。共同開発の体制は【図】の通り。英・マンチェスター大はロボット本体を開発する。同大は17年4月に放射性物質が漏れたセラフィールド再処理工場の使用済み核燃料貯蔵プールの調査用に高線量に耐える直径150ミリの小型調査ロボットを生み出した。ソナー開発は国立研究開発法人海上技術安全研究所が担当する。研究所のソナー技術は海洋構造物の検査や海底調査で世界屈指を誇る。ロボット搭載に向けて一層の小型化を図るとともに放射線への耐久性を高める。
 両国の研究・開発の成果を災害対応ロボット分野で国内のけん引役となっている長岡技術科学大(新潟県)が開発に生かす。国は廃炉工程で溶融燃料の取り出し方法を30年度に決めるとしており、29年度までの2カ年で開発と実証試験を行った後、手法決定に向けた情報収集に活用する。
 国や東電は溶融燃料の現状把握に向け、今年3月に宇宙線から生じる「ミュー粒子」を利用して1、2号機の原子炉周辺を透視し、炉内を確認したが思うような成果を得られなかった。
 プロジェクト代表を務める長岡技術科学大の片倉純一教授は「状態を正確につかむ手法を確立し、廃炉の加速化につなげたい」としている。

カテゴリー:福島第一原発事故

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