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(16)労働を魅力に転換

全国サミットに向けアイデアを出し合う鈴木(左から2人目)ら協会のメンバー

■西会津町 日本ジョセササイズ協会(上)

 「除雪は面白い。それをどうやって伝えようか」。西会津町の西会津国際芸術村。ストーブを囲みながら、日本ジョセササイズ協会のメンバーが意見を交わす。
 2月に町内で開く初の全国サミットに向けた打ち合わせだ。町民や観光客を前に、ステージ発表やトークイベントを通じて雪かきの楽しさを伝える。会長を務める磐梯町職員の鈴木孝之(37)は「雪国の魅力を多くの若者に知ってもらい、町外から移住する人が現れるきっかけとしたい」と言葉に力を込めた。


 ジョセササイズは「除雪」と「エクササイズ」を組み合わせた造語で鈴木が発案した。除雪は「つらい労働」ではなく「楽しく体を動かすこと」-と発想を転換し、スコップを持って行う動作の1つ1つに運動の要素を取り入れた。
 西会津町に出向していた鈴木と町民有志ら6人が昨年1月、ジョセササイズの普及と地域活性化を目指して協会を発足させた。12月には初の総会を開き、メンバーは20人までに増えた。会社員や農業従事者、公務員などさまざまな職業が集う。年代は20代から40代。過疎に悩む古里を輝かせようと若い力が動きだした。


 鈴木は平成25年4月、会津耶麻町村会の人事交流事業の第1号として磐梯町から西会津町地域振興係に出向した。
 少子高齢化が加速する実態を目の当たりにする。65歳以上の人口割合を示す町の高齢化率は40%に達し、1人暮らしのお年寄りが年々増えていた。県内有数の豪雪地帯で、2メートルを超える積雪が町を覆う年もある。自宅の雪かきをしていたお年寄りが落雪にのみ込まれる事故も起きていた。行政が各世帯の除雪を支援するにも限界がある。しかし、こんな実態を放っておけなかった。
 磐梯町にある自宅の除雪で苦労してきた。九州から来た親戚に手伝ってもらう際、「雪かきは楽しい運動なんだよ」と声を掛け、それがジョセササイズが生まれたきっかけとなった。西会津で取り組みを広め、町外から除雪に興味を持つ人たちを集めてみよう。賛同者が次々現れた。(文中敬称略)


※会津耶麻町村会人事交流事業
 北塩原村、西会津町、磐梯町、猪苗代町で構成する会津耶麻町村会が平成25年度から実施している。過疎など共通する課題の解決や地域活性化に向け、職員が認識を共有し、資質向上を図るのが狙い。原則2年間、職員1人を他町村に派遣する。

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