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(18)にぎわいもう一度

温泉街の活性化のため立ち上がった飯坂だ●べした~ず。左から和田、畠、佐藤、柳沼 ※●は温泉マーク

■福島市 飯坂だ●べした~ず(上)

 「さて、よらんしょ、こらんしょ、まわらんしょ。ささか、さかさか、飯坂へ」
 福島市の飯坂温泉に、三味線ユニット「飯坂だ●べした~ず」の張りのある民謡と軽快な演奏が響く。三味線を弾くのは和田一成(40)=ほりえや旅館=、柳沼公貴(43)=祭屋湯左衛門=、畠正樹(37)=吉川屋=の地元旅館の後継者3人。福島学院大3年の佐藤木綿子(ゆうこ)(21)が唄う。
 東京都内で開かれた市の観光PRイベントに出演するなど、温泉街のにぎわいを取り戻そうと市内外で活動している。

 だ●べした~ずの発起人は山形県鶴岡市出身の和田だ。12年前に飯坂温泉の旅館の娘と結婚し、跡継ぎに納まった。
 飯坂八幡神社例大祭「けんか祭り」の世話人会で津軽三味線の生演奏を聞いた。テンポ良く、心に訴え掛けてくるような響きに魅せられる。30歳で地元の教室に通い始めた。初めは思うように弾けず、地道に練習を重ねた。「うまくなったね」。旅館の前を通り、音色を聞いた知人から褒められることが多くなったという。

 「飯坂温泉に伝わる飯坂小唄で、華やかな湯の町を復活させよう」
 三味線に夢中になる和田と知り合いだった柳沼、畠が意気投合した。平成22年6月にだ●べした~ずは船出する。旅館の仕事が忙しくなかなか練習時間が取れなかった。柳沼、畠も三味線はまったくの素人。柳沼は「旅館協同組合青年部の集まりで披露したが、ぐだぐだの演奏だった。笑いのネタになった」と振り返る。
 和田の指導を受け、2人は時間を見つけて三味線に向き合った。取り組みは口コミで広がる。24年1月から、福島交通飯坂線飯坂温泉駅のホームで3人が演奏する飯坂小唄が流れた。これをきっかけに、地元の宴席や市内で開かれるイベントへの出演依頼が少しずつ増えていった。
 老人施設などを訪問し、民謡を唄う活動を続けていた佐藤と出会ったのはこの年の7月。市内の旧堀切邸で開かれた伝統芸能の祭典だった。主催者から頼まれ、飯坂小唄を一緒に演奏した。
 初の共演だったが歌声と三味線の響きがはまった。(文中敬称略)

※●は温泉マーク

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