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【震災から5年】「福島第一原発 廃炉」 燃料取り出し準備

左から1、2、3、4号機の原子炉建屋。大型休憩所の7階から望む=2月5日

 ■1・2号機 32年度に開始予定
 
 ■3号機 566体 29年度内開始
 
 東京電力福島第一原発の1~4号機のうち、1~3号機で使用済み核燃料プールからの燃料取り出しに向けた作業が続く。ともに平成32年度中の燃料取り出しを目指している。溶融燃料(燃料デブリ)の取り出しについては、ロボット調査が延期されるなど見通しは立っていない。一方、廃炉に向けた技術研究の拠点となる楢葉町の楢葉遠隔技術開発センター(モックアップ施設)の運用が4月から本格化する。
 
 廃炉を安全に進めるため、構内に残されている燃料の取り出しは最優先の課題の一つだ。
 4号機は事故当時、定期検査中だったため原子炉内の燃料は全て使用済み核燃料プールに保管され、大きな損傷を受けなかった。25年11月、このプールから1533体の燃料棒を取り出し、構内の共用プールへ移送する作業を開始。翌26年12月、全ての移送を完了した。
 3号機では、使用済み核燃料プール内にある566体の燃料を取り出すため準備が進められている。これまでに使用済み核燃料プール内に落ちている大型のガレキなどを撤去。昨年8月には、最も大きかった燃料交換機の取り出しに成功した。今後、燃料取り出し用の建屋カバー、新たな燃料交換機を設置。順調にいけば、29年度に燃料プール内からの燃料取り出しを開始する予定だ。
 1号機(392体)、2号機(615体)の燃料取り出しは32年度の開始を予定している。
 
 ■第一原発3号機ルポ 建屋がれき姿消す 依然残る爆発の爪痕
 
 かつてねじ曲がった巨大な鉄骨が山のように積み重なっていた3号機。事故発生から5年を前に、建屋上部のがれきはほとんどが姿を消していた。
 昨年5月に運用が始まった大型休憩所の7階の窓から東に約1キロ先にある3号機を眺めると、がれきが撤去されたことで、他の号機よりも建物が低く見える。
 左側に見える大型クレーンには四角の箱のような機械がつり下げられている。最上階の小さながれきを撤去するための機械だ。「掃除機のようなものだと思ってください」。東電関係者が説明する。線量が高いため、作業員は1キロほど離れた免震重要棟から遠隔操作している。モニターの映像を見ながら操作するには熟練した技術が求められる。
 バスで3号機と2号機の建屋の間に向かった。車内の空間放射線量は400マイクロシーベルトまで上昇した。この付近の線量が構内で最も高いという。かつては数十ミリシーベルトあった場所で大きく下がっている。安全のため外には出られなかったが、窓越しに3号機の建屋上部を見上げると、ねじ曲がった鉄筋や壁の無数の傷が残り、今なお水素爆発のすさまじさを物語っていた。
 建屋屋上では、使用済み核燃料プールに落下したがれきの撤去も進んでいた。今後、燃料取り出し用のカバーやクレーンが設置される予定だ。ゆっくりではあるが、着実に作業が進んでいることを実感した。(本社報道部副部長・渡部総一郎)
 
 ■5・6号機 廃炉研究施設に
 
 福島第一原発の5号機は使用済み核燃料プール内に1542体、6号機は使用済み核燃料プール内に1884体の燃料がある。
 両号機とも26年1月31日付で廃止されており、今後、廃炉に向けた研究施設として利用されることになっている。


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