東日本大震災

「福島第一原発事故」アーカイブ

  • Check

地域おこし協力隊員急増 県内20市町村で52人、活動の成果浸透

 都市部の若者らが地方に一定期間住み、まちづくりなどの事業に携わる地域おこし協力隊の隊員数は平成27年度、県内20市町村で52人に上り、市町村数、人数とも前年度の約2倍となった。東日本大震災、東京電力福島第一原発事故に伴い自治体がさまざまな課題を抱える中、特産品開発や観光振興で一定の成果を挙げていることが急増の背景にあるとみられる。

 地域おこし協力隊は地方への移住促進に向け、国が平成21年度に設けた制度で、県や市町村が隊員を委嘱する。県が1月1日現在でまとめた隊員数や主な活動内容は【表、グラフ】の通り。27年度は昨年度に比べ9市町村、25人増えた。隊員数が最も多いのは伊達市と三島町の7人で、西会津町、金山町、南会津町が4人、二本松市、喜多方市、鮫川村が3人と続く。
 平成21年度はゼロだったが、22年度に伊達市が県内で初めて隊員を委嘱し4人が活動を始めた。以後、市町村数、隊員数とも年々増加している。県は各市町村で隊員の活動の成果が出始め、制度の認知度が広まったのが要因とみている。
 伊達市では隊員が空き家をワイン醸造施設として活用するよう提案。市は28年度当初予算案で1千万円を計上し、新たな特産品作りがスタートする。鮫川村の隊員は加工品製造の経験を生かし、村の農産物加工直売所で村内の産品を使ったスイーツを開発した。村の担当者は「古里の新たな魅力を発信してもらっている」と話す。
 柳津町の隊員はスマートフォンを使って映画ロケ地を巡る案内サービス事業を担当し、原発事故で落ち込んだ観光客の回復を目指している。喜多方市の隊員は後継者が減ったそば打ちを学び、技術を次代につなげる。
 県地域振興課は「風評で苦しむ観光の振興や特産品開発、伝統文化の継承は、地方創生の観点からも重要だ。隊員は大きな力になっている」とみている。

■定住促進へ対策必要
 地域おこし協力隊制度は、地方の人口減少に歯止めをかけるため、委嘱を受けた市町村で隊員に生活し続けてもらうことも狙っている。だが、県によると、昨年3月末までに県内で3年間の任務を終えた16人のうち6人が転居した。
 定着率は62・5%で全国平均の58・9%を3・6ポイント上回っているが、市町村からは「定着促進に向けた環境づくり、対策が必要」との声が上がる。関係者によると、任期を終えてとどまる隊員は自治体や観光・商工団体などに勤務するケースが多いが、思うような就職先を見つけられずに去っていく人も少なくないという。県は市町村と連携し、任期終了後の仕事と住まいをセットで紹介するなどして、定住に向けた環境整備に力を入れる方針だ。

※地域おこし協力隊
 国が平成21年度、地方への移住促進を目的に創設した制度。都市部の若者らが最長3年間、地方に移り住み、地域ブランドや地場産品の開発・販売、観光振興、農林水産業などを応援する。県や市町村が隊員を募集し委嘱する。国は隊員の報酬と活動費、住居費などとして1人当たり年間400万円を交付する。協力隊とは別に、被災地再生を支援するため総務省は復興支援員制度を設けている。

カテゴリー:福島第一原発事故

「福島第一原発事故」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧