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福島の魅力伝える場に アクアマリンふくしま職員 岩田雅光さん 49 いわき

アクアマリンふくしまならではの取り組みに意欲を燃やす岩田さん

■「笑い声響かせたい」
 15日に再オープンしたいわき市のアクアマリンふくしまが約4カ月ぶりににぎわった。
 再開が決まり、セイウチやトドなどを避難させた水族館と20回以上往復して移送した。11年以上の付き合いになるセイウチの「ゴオ」「ミル」を見た時は思いが込み上げた。
 生物多様性プロジェクトの岩田雅光さんはセイウチに歓声を上げる子どもたちを見守り、心に誓った。
 「この笑い声をいつまでも響かせたい」
【平成23年7月16日付・今を生きる】

 トドたちの大きく元気な鳴き声が館内に響くたびに海獣の避難を受け入れてくれた全国の水族館の支援を思い出す。
 今はカブトガニやオウムガイなど"生きた化石"と呼ばれる生物を担当している。アクアマリンが積極的に取り組み、成果を収めてきたシーラカンス調査も平成24年から本格的に再開した。新たな発見も続いている。未解明な部分が多い生物で調査・研究をさらに続けていく。

■「復興のシンボルに」
 震災、原発事故後に職員それぞれが胸に刻んでいる言葉がある。
 アクアマリンふくしまを復興のシンボルに-。
 昨年、施設の魅力アップに向けて「わくわく里山・縄文の里」を敷地内に整備した。だが、来館者は震災前の状態に回復していない。震災前は県外から足を運ぶ人が多かった。原発事故が影響しているのだろう。
 福島の海への理解を広げる企画や魚の食としての魅力を紹介するプログラムに力を入れている。風評を振り払うには地道な取り組みしかない。1人でも多くの人に足を運んでもらえる仕掛け作りが大切だと感じている。

■「福島の海を 世界に発信」
 平成30年に「世界水族館会議」がアクアマリンふくしまで開かれる。世界各地にある水族館の関係者が集う会議は、福島の現状を発信する絶好のチャンス。この機を逃す手はない。
 2年後の30年は、震災と原発事故の記憶の風化がさらに進んでいるかもしれない。復興の機運は今より低下している可能性もある。
 被災地の海を考えるアクアマリンふくしまだからこそ発信できる情報がきっとあるはず。2年後を見据えた準備が必要だ。今から知恵を絞らなければならない。
 "環境水族館"をうたっているアクアマリンふくしまらしい独創的で魅力的な情報発信の場となるように役割をしっかり果たしたい。

カテゴリー:「3.11」それぞれの5年

セイウチのゴオと触れ合う岩田さん【平成23年7月16日付・今を生きる】

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