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都路復興へ洋菓子店開店 名物の卵 地域を結ぶ

都路町産の卵を使用した菓子作りに励む根本さん。「地域に愛される店にしたい」と夢を語る

 田村市都路町の都路町商工会を中心とした都路6次化実行委員会が企画した洋菓子店「みやこじスイーツゆい」が24日、都路町岩井沢に開店した。東京電力福島第一原発事故に伴う避難指示解除から4月1日で丸2年。子育て世代をはじめとする若者の帰還が課題となる中、実行委は都路町産の卵を使ったスイーツを新たな名物に育て、活力のある古里を取り戻そうと奮闘している。

 午前10時半から行われたオープニングセレモニー。小雪が舞う中、開店を待ちわびた関係者や地元住民ら約100人が駆け付けた。試食用のプリンが配られると、来店者は「卵の味わいがあり、甘くておいしい」と口をそろえた。店内には洋菓子を買い求める行列ができた。
 子育て世代の女性の雇用創出と地域産業の活性化を目的に、実行委が平成26年2月から開店準備を進めてきた。首都圏に1日約30トン出荷している都路農場の鶏卵「都路のたまご」を使い、プリンやシフォンケーキなど7種類の洋菓子を販売する。
 店で働くのは都路町と同市常葉町に住む平均年齢30代前半の女性4人。菓子作りは初心者だったが、東京・東京プリンスホテルの内藤武志製菓・製パン料理長(55)の指導を受けながら腕を磨いてきた。実行委発足から洋菓子作りに携わる従業員の根本美加さん(29)=都路町岩井沢在住=は「購入してもらえてうれしい。都路の住民が笑顔になり、地域に愛される店舗にしたい」と目を輝かせた。
 実行委は店舗販売のほか、移動販売車によるイベント会場での提供も思い描く。「子どものいない地域は復興できない。若いお母さんに地元に戻ってもらい、子どもたちを育ててほしい」。委員長の渡辺辰夫都路町商工会長(63)は新たな名物の定着による古里復興を願った。

 ■避難指示解除1日で2年 若者の古里離れ課題
 田村市都路町は東京電力福島第一原発から半径20キロ圏内が警戒区域に設定され、避難指示解除準備区域を経て、平成26年4月1日に解除された。2月29日現在、住民基本台帳に登録されている920世帯2586人のうち、691世帯1695人が帰還している。帰還率は世帯数で75%、住民数で66%。
 市によると、働く場がないなどの理由で、子育て世代など若者の古里離れが課題となっているという。

カテゴリー:福島第一原発事故

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