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家屋解体進まず 復旧加速へ1日からゲート撤去 浪江、避難区域再編3年

浪江町内の通行を制限するゲート。1日に撤去が始まる

 東京電力福島第一原発事故に伴い浪江町に設けられた避難区域が再編され、1日で3年となる。同日には町内の復旧加速化のためにゲート、バリケードの撤去が始まるなど復興に向けた準備が進む。一方、町内の倒壊家屋の解体完了時期はいまだ見通しがつかないなど、町が目指す平成29年3月の帰町開始までの課題は多い。

■住民の要請

 全町避難で町内に住民が不在の中、町は防犯のために国道沿いにゲート、住宅前にバリケードを設置している。しかし、一時帰宅の際などに不便が生じ、住民らから撤去を求める声が出ていた。今後は復旧事業の本格化に伴う作業関係車両の増加などが見込まれ、撤去に踏み切る。1日から作業を開始し、5月中には全てが取り払われる見込みだ。
 一方、自由通行化で不特定多数の人が町内に出入りするようになるため防犯対策の強化が課題となる。町はゲートなどの管理に充てていた予算を活用し、民間業者によるパトロール、防犯カメラの増設などの対策を取る。町防犯見守り隊の班長を務める吉田孝さん(66)=同町から福島市に避難中=は「これまで以上にパトロールに目を光らせたい」と語る。

■解体完了15%未満

 町内には、いまだ東日本大震災で倒壊した住宅や店舗などが残されている。環境省や町によると、解体の対象になっている建物は約1500件あるが、そのうち解体申請がされているのは約1100件、実際に解体が完了したのは約200件と全体の15%未満にとどまる。
 環境省の担当者は「危険性がある建物については撤去を進めたい」と話す。しかし、所有者の同意がなければ作業に取り掛かれない。愛着がある家を壊すことにためらいがある人も多いという。「町と連携し、同意の取り付けを進めたい」とするが、帰町開始までに解体が完了するかは不透明な状況だ。

■除染の遅れ

 国直轄で行われている避難指示解除準備、居住制限両区域の除染の進捗(しんちょく)率は2月15日時点で宅地44%、農地36%、森林61%、道路68%。環境省は「29年3月までに生活圏の除染を終える」としているが、馬場有町長は除染の遅れを指摘し、「今後の特例宿泊、準備宿泊に向けて加速化が必要だ」と話す。
 町土の多くを占める帰還困難区域については、除染の計画すら定まっていない。町は計画策定に向け、国への働き掛けを強める。

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