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国際基準新設へ 食品の放射性物質濃度 OECD原子力機関

 経済協力開発機構(OECD)原子力機関(NEA)は食品中の放射性物質濃度に関する国際基準を新設する。安全性を判断する統一的な指標を設け、東京電力福島第一原発事故を受けて一部の国で続く日本産食品の輸入規制緩和につなげる。10、11の両日、いわき市で開かれた福島第一廃炉国際フォーラムで関係者が明らかにした。加盟国に働き掛けており、1年以内の合意を目指す。
 NEAのウィリアム・マグウッド事務局長が10日の基調講演で「原発事故の起きた国が(食品の)安全を宣言しても、他国はその情報の正確さを確認するすべがない」と指摘。国ごとに異なる放射性物質濃度の測定方法や基準値などを一本化する必要性を強調した。NEA加盟の先進31カ国への働き掛けを強め、合意を急ぐ考えを明らかにした。
 基調講演後に開かれたパネル討論では、国際原子力機関(IAEA)のファン・カルロス・レンティッホ事務局次長が「いろいろな組織がさまざまな数字(基準値)を出したために混乱を来した。今後、取り組まなければならない問題の一つ」と述べ、マグウッド氏に協力する姿勢を示した。
 今後、NEA加盟国やIAEAなど国際機関の間で具体的な協議が進むとみられる。新基準をクリアした食品は国際的に安全の「お墨付き」を得たことになり、県産品の輸出再開・拡大につながると期待される。
 食品中の放射性物質濃度に関する基準は各国で開きがあり、品目によっても異なる。日本の食品衛生法に基づく野菜など一般食品の放射性セシウムの基準値は1キロ当たり100ベクレルとなっており、基準値を超えた食品は出荷・流通できない。チェルノブイリ原発事故が起きたウクライナはパンが同20ベクレル、隣接するベラルーシは同40ベクレルとなっている。
 一方、欧州連合(EU)の一般食品は1キロ当たり1250ベクレル、米国は全ての食品で同1200ベクレルに設定している。
 内堀雅雄知事は11日の定例記者会見で、「(日本の)基準に沿った安全対策が講じられても風評や輸入規制が続いている。フォーラムをきっかけに基準の在り方などについて、より議論が進むよう期待したい」と述べた。

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