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海洋放出など初試算 経産省が処分期間と費用 第一原発トリチウム

 東京電力福島第一原発の浄化処理後に残る放射性トリチウムについて、経済産業省は5種類の処分方法別に期間と費用を初めて試算し、19日の有識者会議で示した。地層注入、海洋放出、水蒸気放出、水素放出、地下埋設のうち、海洋放出が最も短期間で低費用とした。五種類の処分方法の試算は今後、政府決定の参考になるとみられる。
 経産省は(1)地下2500メートルで処分する地層注入(2)海洋放出(3)トリチウムを含む水蒸気の大気放出(水蒸気放出)(4)トリチウムを水素に変化させて大気放出(水素放出)(5)固形化材を混ぜて地下埋設-の処分方法を検討。希釈などの条件を変えながら55通りの試算結果を出した。トリチウム水の総量は80万トン、1日の処分量は400トン、希釈する濃度は国の基準に合わせ1リットル当たり6万ベクレルと仮定した。
 主な結果は【表】の通り。技術的に不明な要素があり単純比較は難しいが、トリチウム濃度を最も高く見積もったケースで、海洋放出は7.3年(88カ月)で34億円と最も短く低コストとなった。地下埋設は8.1年(98カ月)で2533億円、水素放出は8.4年(101カ月)で1千億円、水蒸気放出は9.5年(115カ月)で349億円、希釈後の地層注入は13年(156カ月)で約4千億円だった。希釈せずに地層注入か地下埋設する場合は最長76年(912カ月)の管理が必要となる。
 トリチウムは水と性質がほぼ同じで、多核種除去設備(ALPS)で除去できない。原発の通常運転でも発生し、薄めるなどして濃度基準を下回れば海洋放出が世界的に認められている。原子力規制委員会の田中俊一委員長(福島市出身)はトリチウムを含む水は海洋放出すべきだとの考えを示している。政府と東電は対応を明確にしていない。

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