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避難解除3市町村の森林 伐採可能地点57.6% 27年空間線量県木連分析

 東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域が解除・一部解除された田村、楢葉、川内3市町村の森林の空間放射線量で、平成27年に県の原木伐採・搬出基準(毎時0.5マイクロシーベルト以下)を下回った地点は前年より1106地点増え、地点全体の57.6%に拡大した。県木材協同組合連合会がまとめ、伐採可能な範囲を推定した。事業再開に向けて今後は作業員の被ばく低減や人材育成が課題となり、国や県に支援を求める。
 県木連が原子力規制委員会の航空機モニタリングによる等間隔の面的な空間線量データを分析した。市街地などを除いた田村市都路町の森林1619地点、楢葉町1269地点、川内村2806地点について平成27年分(9月12日~11月4日測定)と26年分(9月1日から11月7日測定)を比較した。
 避難区域周辺の森林の空間線量の変化は【図】の通り。3市町村の森林全体5694地点のうち、県基準を下回り伐採・搬出が可能な地点は27年が3278地点となり、前年より1106地点増え1.5倍になった。26年は全体の38.1%に当たる2172地点だった。
 市町村別に見ると、県基準以下の地点が前年に比べ最も増えたのは川内村で、494地点増の1701地点となった。田村市都路町は388地点増の851地点、楢葉町は224地点増の726地点だった。
 県木連は空間線量が比較的高い地域の縁部分から徐々に放射線量が低下していく傾向があると分析している。放射性物質の自然減衰や雨による移動などにより、年間で毎時0.1マイクロシーベルト前後ずつ低くなるケースが多いという。林業再生や住民帰還を見据え、林業者や市町村などにデータを提供し、事業再開のきっかけにしてもらう。
 避難区域周辺の木材業者の一部は県内外の他産地に仕事場を移しているため生産基盤は弱く、原発事故以降、楢葉町と川内村の年間木材生産量は実質ゼロ。作業員の被ばくを低減するための高性能林業機械の導入促進や若手の人材育成も喫緊の課題となっている。
 木材はバイオマス発電施設向けの燃料用チップや新たな建築材CLT(直交集成板)への需要拡大が見込まれているが、県産材に対する風評は根強い。県木連はスギなどを全て伐採して新たに植林する「皆伐・再造林」による森林再生を県などに要望しているが、現時点で具体的な対応策は示されていない。
 課題となっている山林除染を巡っては、国が里山再生モデル事業の実施区域を夏ごろに決める。除染や間伐などの手法、対象範囲などは今後検討するとしている。

カテゴリー:福島第一原発事故

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