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県産品アジア風評対策 県、著名人起用し番組

 県は東京電力福島第一原発事故前まで県産品の主な輸出先だったアジア地域で地元著名人を起用した風評対策に乗り出す。第一弾は輸出量が最多だった香港を対象に、現地メディアで活躍する日本人シェフを県内に招いて県産品の味や安全性を紹介する番組を作り、現地で発信する。他国・地域でも消費と流通の両面でイメージ回復を図り、輸入規制解除への機運を高める。

 香港の事業では在住歴が長く、レストラン経営の傍ら「スターシェフ」としてテレビ番組や雑誌コラムで活躍している杉内馨氏を起用する。杉内氏に県内を数回旅してもらい、国内外で評価が高まる日本酒やコメ、旬の果物や野菜などの生産、流通・検査体制を伝える番組を制作する。
 番組は香港のケーブルテレビや交通機関の車内放送、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などに流す。県は杉内氏と近く契約し、夏ごろから制作に着手する。
 県が現地で開く輸入・小売りなど流通関係者向けの物産展でも発信役となってもらう。
 香港は平成22年度に県内からコメ100トンとモモ、ナシ各10トンを輸入した。しかし、原発事故から5年余りが過ぎた今も福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県の4品目(野菜・果実、牛乳、乳飲料、粉ミルク)の輸入を停止している。これ以外の食肉や水産物には放射性物質の検査証明書を求めている。
 県は香港を中国本土や東南アジアの消費行動に影響力を持つ重要エリアと位置付ける。香港市民になじみの深い人物が消費者や流通業者に福島産の安全性を言葉で伝えることで、風評の払拭(ふっしょく)や販路回復の糸口とする。
 県は台湾で同様の試みができないか検討しており、輸入規制緩和の動きがある東南アジアの消費拡大策としての応用も視野に入れる。規制の厳しい中国や韓国向けの発信方法も引き続き模索する。県産品振興戦略課は「香港での成果を見極めた上で台湾や東南アジアなどへの効果的な働き掛け方を検討したい」としている。

■県産農産物輸入停止など65カ国
 農林水産省などによると、3月21日現在、県産農林水産物の輸入を停止(一部品目のみを含む)しているか、放射性物質検査を課しているのは65カ国・地域。中国は福島など10都県の食品全てと飼料を輸入停止とし、特別行政区の香港とは対応が異なる。
 県によると、アジア地域ではタイが24年度から、マレーシアは25年度からモモやリンゴなどの輸入を再開。26年度にはシンガポールが県産米の輸入を再開した。

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