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福島の海世界へ発信 いわきの芸術祭最高賞が上海に初出展 復興現状アピール

「福島の復興への歩みが世界に伝わってほしい」と願うなまためさん

 福島の海を題材に、いわき市で今夏開かれる「海の日芸術祭」の最高賞受賞作品が中国・上海の世界的芸術祭に初めて出展される。「復興を遂げようとする福島をアピールしたい」。いわきの芸術祭実行委員の思いに上海の関係者が応え、展示を快諾した。東京電力福島第一原発事故による風評が続く中、美術作品を通し古里の海の美しさ、豊かさを発信する好機となる。

 「芸術家たちが福島に寄せる気持ちを世界に届けたい」。海の日芸術祭実行委員を務めるいわき市の現代美術家なまためみちおさん(59)は思いを膨らませてきた。初めて開催した昨年、出品された作品には、東日本大震災前の豊かな海への感謝や津波の犠牲者に対する鎮魂の思いが込められていたためだ。
 以前から知り合いで、上海で毎年、「上海城市芸術博覧会」を主催しているホン・チャン・チューさんを4月に訪ね、考えを伝えた。震災と原発事故の被害に心を痛めてきたホンさん。「博覧会の展示スペースを用意する」と約束した。
 上海城市芸術博覧会は今年で7回目を迎え、10月20日から23日まで上海のホテルで開かれる予定だ。日本などアジア各国をはじめ、米国、ドイツ、フランスなど十数カ国から数千点の作品が集まる。世界から約10万人の芸術ファンが鑑賞に訪れるという。芸術家にとって世界的な評価を受けるチャンスとなる。
 博覧会の展示スペースは個室となる予定で、海の日芸術祭で最高賞を受賞した作家の他の作品も飾ることができるという。
 海の日芸術祭実行委員会は最高賞を受賞した作家に、賞金として上海までの旅費5万円を贈る。滞在費や作品の搬送費は博覧会側が負担する。
 なまためさんは「原発事故の風評は根強いが、古里の海の美しさは変わっていない。芸術作品を通し、福島の復興への歩みが世界に伝わるきっかけにしたい」と多くの応募を呼び掛けている。海の日芸術祭の審査員を務めるいわき市立美術館長の佐々木吉晴さん(59)は「上海への出展は世界に羽ばたく機会になる。若い芸術家に奮って応募してほしい」と話している。

■30日まで作品募集
 海の日芸術祭実行委員会は30日まで作品を募集している。
 なまためさん、ホンさん、佐々木さんをはじめ、画家で郡山女子短大教授の浅野アキラさん、彫刻家で福島大教授の新井浩さんらが審査する予定。1次審査を通過した作品はいわき市泉町の小名浜オーシャンホテルに展示する。
 作品の応募資格は18歳以上50歳未満で国籍、性別、居住地は問わない。募集作品は絵画、彫刻、写真、映像などで、サイズは平面がS30号(縦91センチ、横91センチ)以内。立体は2立方メートル以内、重さ200キロ以内。作品の写真を2点まで添付し、作品名、材質説明を明記する。出品料は1万円。入選発表は6月20日。
 申し込みは事務局 メールアドレスart_planecom@yahoo.co.jpへ。問い合わせは事務局 電話080(3196)5244へ。

カテゴリー:福島第一原発事故

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