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園芸設備半額を補助 浜通りなど対象 県、再開後押し

 県は平成28年度、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で被害を受けた浜通りなどの園芸農業再開に向け、施設整備費の半額を補助する。認定農業者が放射性物質の影響を受けにくい水耕栽培や、避難先からの「通い農業」が可能となる省力化設備を導入する際、1500万円まで助成する。来年度以降も事業を続ける方針で、初年度は5件程度を選び被災地の農業再生のモデルとしたい考えだ。

 補助事業のイメージは【図】の通り。対象地域は津波や原発事故の被害が大きい浜通り全13市町村と川俣町山木屋地区、田村市都路地区とした。農業法人を含む認定農業者が市町村の復興計画などに沿って地元で営農を再開する際、水耕栽培用のパイプハウス設置や日照時間を管理するセンサーなど自動栽培機器の導入を支援する。
 県によると、補助額上限の1500万円を受け、3000万円の投資をすれば、10アール程度のハウスと機器を設けることができるという。今後、市町村と連携し希望者を募る。
 県産農産物は厳格な放射性物質検査によって安全性を確認しているが、風評は依然根強い。県は原発事故に伴う土壌汚染への不安が背景にあるとして、水耕栽培による農産物は全国の消費者に受け入れられやすいとみている。一方、自宅に戻らず避難先から通いで農業を続けるケースを想定し、省力化設備が必要になると判断した。
 県は避難区域の一部にコメの作付け制限区域が残り、価格が原発事故以前の水準を下回っているため、園芸作物を営農再開の入り口とする。栽培品目として、浜通りで広く生産され、水耕でも土壌栽培と同程度の品質を確保できるトマトやイチゴ、ナシなどを想定している。野菜、果物よりも風評の少ないリンドウやトルコギキョウなどの花卉(かき)も候補に挙げている。
 一方、補助を受ける認定農業者が水稲からの転作を望む場合には、県浜地域農業再生研究センター(南相馬市)や各農林事務所が技術面を指導、助言する。栽培が軌道に乗った作物や技術を先進事例として被災地の農家に周知し、営農再開の希望を増やしたいとしている。
 県によると、原発事故で避難区域が設定された12市町村で営農を休止した約1万7300ヘクタールのうち、26年度末までに再開したのは17%に当たる約2900ヘクタールにとどまっている。
 県園芸課は「意欲的な生産者を後押しし、被災地域での園芸作物産地化のモデルを育てたい」としている。

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