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町有地提供を要請 自民復興加速化本部と党県連 中間貯蔵施設

 東京電力福島第一原発事故に伴う中間貯蔵施設の整備を巡り、自民党東日本大震災復興加速化本部と党県連は23日、県内の学校などに保管されている除染廃棄物の搬入を急ぐため、建設予定地の双葉、大熊両町に予定地内の町有地を国に提供するよう要請した。渡辺利綱大熊町長と伊沢史朗双葉町長は町議会などと協議の上で最終判断する意向を示した。

■廃棄物搬入へ 学校保管
 加速化本部の額賀福志郎本部長と県連の吉田栄光幹事長が福島市の自民党県連会館で両町長と懇談した。額賀本部長は冒頭、両町長に「教育の上でも人道的な面でも(町有地提供に)賛同していただきたい。中間貯蔵施設については国が全責任を持って今後も推進する」と理解を求めた。
 懇談の中で渡辺町長は「県内の子どもたちの安全・安心のため、というのはよく理解できるし、人道上も大切だ」とした。伊沢町長も「子どもの健康、安全を含めて重要なことなので真摯(しんし)に受け止める」と述べ、一定の理解を示した。
 県によると、昨年12月31日時点で県内の小・中・高校、幼稚園、保育所、児童養護施設、障害児施設など1086カ所で計約33万立方メートルの除染廃棄物が敷地内の一角に保管されているか、校庭などに埋設されている。
 中間貯蔵施設を巡っては建設予定地約1600ヘクタールのうち、売買や地上権設定の契約に至ったのは4月末時点で約35ヘクタールで、全体の2・2%にとどまる。環境省によると、地権者2365人のうち、契約済みは計113人。全地権者のうち約890人は死亡するなどして連絡先を把握できていない。
 まとまった土地がないため保管場など主要施設の建設に着手できず、同省も今年に入り、町有地の取得を両町に打診していた。

■政治主導で環境整備
 自民党は環境省による中間貯蔵施設の用地取得交渉が難航している現状を踏まえ、政治主導で教育環境の改善を急ぐ必要があると判断した。町有地を確保することで廃棄物の早期搬入につなげたい考えだ。
 中間貯蔵施設予定地内にある公有地は約330ヘクタール。このうち大熊町は95ヘクタール、双葉町は70ヘクタールの計165ヘクタール。自民は公園やパークゴルフ場などへの廃棄物の仮置きを想定している。県連の吉田幹事長は「もうすぐ子どもたちが夏休みを迎える。この長期休暇(という機会)を逃したくない」と強調する。
 ただ、用地交渉が進まない中での町有地提供については、契約に慎重な地権者に判断を迫ると受け止められかねない、との見方もある。実現に向けては今後、議会や町民の理解をどう得ていくかが焦点となる。

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