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遺族と教習所和解 山元津波訴訟

 東日本大震災の津波で犠牲になった新地町と相馬市の15人を含む教習生25人の遺族が、宮城県山元町の常磐山元自動車学校側に損害賠償を求めた控訴審の口頭弁論が25日、仙台高裁(小野洋一裁判長)であり、教習所側が和解金に当たる解決金を支払い、謝罪する条件で和解が成立した。
 一審仙台地裁の判決は、教習所側に津波の予見可能性を認めた上で安全配慮義務違反があったとして、死亡した教習生1人当たりに約8000万円、総額で約19億円の支払いを命じたが、和解で小野裁判長は事業を停止している教習所側の支払い能力を考慮し、解決金は教習生1人に対して50万円とした。総額では1250万円で、一審の賠償命令額より大幅に下がった。
 一方、教習所側が事前に地震と津波を想定した避難マニュアルを作成していなかった不備を新たに認定した。教習所側が教習生に適切な避難指示をしなかった過失とともに、教習生の死亡の一因となったと指摘した。ただし、津波の予見可能性は関係者の死亡により、判断するのは困難とした。
 一審判決が否定した役員の個人責任については、教習所の社長ら一部の役員に解決金の支払い義務があるとして責任を認めた。社長が遺族に謝罪し、教習所側は自動車学校や自動車学校に類する施設を運営しないことでも遺族と合意した。
 遺族代理人の鶴見聡志弁護士(46)は「金額が目標ではない。謝罪や役員の責任の認定など遺族が強く求めた中身は得ることができた」と和解成立を評価した。
 常磐山元自動車学校の岩佐重光社長は「津波の犠牲になられた教習生のご冥福を心からお祈りし、深く哀悼の意を表します」とコメントを出した。

※常磐山元自動車学校津波訴訟 津波で亡くなった教習生の46人の遺族が教習所側に損害賠償を求め、平成23年10月に仙台地裁に提訴した。地裁は昨年1月、遺族の主張の大部分を認める判決を言い渡した。教習所側が判決を不服として控訴し、一部の遺族も控訴した。同じく津波で死亡した教習所勤務のアルバイト女性の遺族も提訴し、一緒に審理された。控訴審の和解協議で分離された。

カテゴリー:福島第一原発事故

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