東日本大震災

「福島第一原発事故」アーカイブ

  • Check

6割前年度下回る 財源確保厳しさ公共事業影響懸念も 県内市町村28年度当初予算

 県内59市町村の平成28年度一般会計当初予算は64%に当たる38市町村で27年度を下回った。総額は1兆2025億円で1060億円少ない。27年度と比べ減少幅が拡大し、市町村財政が縮小局面に入ったことが浮き彫りになった。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から5年が過ぎ、復興事業が進展したのが主な要因。今後、財源確保が厳しさを増すとみて市町村からは公共事業などへの影響を懸念する声が出ている。
 福島民報社の59市町村への財政アンケートで明らかとなった。27年度の総額は前年度比250億円の減だった。各市町村の一般会計当初予算の概要は【表】の通り。
 中通りでは29市町村のうち、21市町村で減少した。このうち、除染を既に終了した田村市は前年度比13.8%減の205億円で震災前の水準に戻った。28年度予算では財政調整基金を取り崩し、産業団地整備など復旧・復興枠に18億円を確保した。
 市は除染対策費の減少が減額の要因とした上で「復興や地方創生に不可欠な事業に重点配分したが、今後は人口減に伴う交付税の減額で財政規模を縮小せざるを得ない。公共事業など地元経済を支える事業に影響が出かねない。国や県には今後も十分な財源確保を求める」としている。
 予算額が最多の福島市は前年度比10・3%減の1885億円。除染費が960億円と半分を占めた。
 県内市町村の一般会計当初予算の総額は震災前まで9千億円程度で推移していたが、震災翌年の24年度から5年連続で1兆円を上回った。県幹部は、市町村予算の減少について市町村による住宅除染の進捗(しんちょく)率が3月末で八割を超えたことなどが主な要因と分析する。ただ、「原発事故は長期的対応が必要で、復旧・復興分野以外でもさまざまな事業が必要になる。本県の実情を国に伝え、財源の確保に努めたい」としている。
 一方、27年度よりも予算額が増えたのは21市町村で、避難区域が設定された富岡、大熊、双葉、浪江、葛尾の双葉郡5町村と飯舘村など13町村で過去最高となった。浪江町は復旧・復興の本格化に伴う大型事業の増加で27年度比1.5倍、富岡町は役場庁舎の復旧費や商業拠点施設の整備費を計上して1.5倍となった。
 過去最高となった残りの7町村は南会津、西会津、中島、矢祭、平田、浅川、古殿。

カテゴリー:福島第一原発事故

「福島第一原発事故」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧