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汚染水打開策見えず 凍土壁・保管タンク・海洋放出 第一原発

 東京電力福島第一原発の汚染水対策は、抑制の切り札である「凍土遮水壁」に凍結しない部分が見つかった。東電は未凍結部の追加工事や山側の凍結範囲拡大などを目指すが、効果を疑問視する声も上がる。汚染水を保管するタンクは、漏えいリスクが小さい「溶接型」への交換も計画通り進まない。浄化処理後も残る放射性物質トリチウムを含む水の処理を巡り、政府の有識者会議は「海洋放出が最も短期間・低費用」との案を示したが、漁業者らの理解は得られていない。
 

 ■効果に疑問

 凍土遮水壁は建屋周囲の地盤を凍らせ、汚染水の源となる地下水の流入を遮る。東電は3月末から凍結を開始し、今月2日の原子力規制委員会の会合では、凍結範囲の大半で地中温度が零度以下となった点を強調。地下水のせき止め効果が出たと主張した。ただ、東電の資料では凍結後に減ると予想していた建屋海側の地下水くみ上げ量に変化がない。委員は凍土壁に隙間が残って効果が出ていない可能性を指摘した。
 東電は前回までの地下水の流れの推計方法を突如変更し、「効果は出たが、くみ上げ量が減るのはまだ先」と新たな主張を展開。規制委側から疑問の声が続出したが、東電は「つじつま合わせでない」と釈明。規制委側との溝は埋まらず、議論は次回に持ち越された。
 

 ■目標にずれ

 汚染水の保管用タンクには当初、鋼材をボルトで接合した簡易型(フランジ型)が導入されたが、接合部からの汚染水が漏れた。継ぎ目のない溶接型への切り替えを進めているが、5月19日現在、タンク総数937基のうち2割に相当する210基がフランジ型のままだ。
 東電は昨年6月の廃炉工程表で「28年度の早い時期に全て溶接型で保管する」とした。しかし、多核種除去設備(ALPS)で処理後に残る放射性トリチウム水の保管が優先され、交換にまで回せていない。
 東電が今年4月に公表したタンク運用計画では、フランジ型の使用は来年2月まで。廃炉工程表の目標とずれている。東電は遮水壁の計画の遅れなどを理由としており、「地下水流入対策の効果が表れれば、交換も進む」との立場だ。


 ■海洋放出の提案

 ALPS処理後のトリチウムの最終的な処分方法は今もって結論が出ていない。
 処分方法を検討してきた政府の有識者会議は5月に海洋放出が「短期間・低費用で実施できる」との報告書案をまとめた。原子力規制委はトリチウム水の海洋放出を進めるべきとの立場だ。しかし、漁業関係者は風評の助長などを懸念して海洋放出を認めない姿勢を示している。政府側は「特定の方法に予断を持っているわけではない。あくまでたたき台だ」と強調しており、打開策は見いだせていない。

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