東日本大震災

「福島第一原発事故」アーカイブ

  • Check

東電社長隠蔽認め謝罪 炉心溶融 「官邸指示」は調査せず

 東京電力福島第一原発事故当初、当時の清水正孝社長が「炉心溶融という言葉を使うな」と社内に指示していた問題で、同社の広瀬直己社長は21日、記者会見で「社会から隠蔽(いんぺい)と捉えられるのは当然だ」と認め、謝罪した。清水氏の指示の背景に当時の首相官邸の指示があったとされることについては、独自調査しない意向を示した。
 会見で広瀬社長は清水氏の指示を指摘した第三者検証委員会の報告について「そのまま受け止める。口止めに当たるような指示があったのは痛恨の極み」と述べた。一方、報告書が首相官邸の指示に触れながら具体的には解明できないとしたことについて「調査の限界はある」とした上で「(清水氏と官邸の間でどんなやりとりがあったにせよ)社長の行為として非常に不適切だった」と繰り返し述べるにとどめた。自身も清水氏の指示は「隠蔽に当たる」との認識を示した。
 第三者委は「権限がない」として民主党政権で事故対応に当たった菅直人首相らを調査しなかった。菅氏は福島民報社のインタビューで「『炉心溶融』を使うなと言ったことはない」と指示を否定。当時官房長官だった民進党の枝野幸男幹事長も関与を強く否定しているが県や県内各党は真相究明のための追加調査を東電に求めている。
 東電は広瀬社長を減給10分の1(1カ月)、原子力・立地本部長の姉川尚史常務を減給10分の3(同)の処分とした。処分理由には、炉心溶融を判断する社内マニュアルを約5年間見過ごしていたことを挙げた。事故直後に国への通報や会見で「炉心溶融」の表現を避けたことは処分の根拠としなかった。
 東電は緊急事態時の通報・公表に関する再発防止策も発表した。緊急時における事故状況の説明方法や使用する用語を判断する責任者を置くことや、通報訓練の強化などを盛り込んだ。
 報告書によると、清水氏は原発事故から3日後の平成23年3月14日夜、会見に臨んでいた武藤栄副社長(当時)に対し、広報担当者を通じ「炉心溶融」などと記したメモを差し入れ「官邸からの指示により、この言葉は使わないように」などと耳打ちさせた。

カテゴリー:福島第一原発事故

「福島第一原発事故」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧