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【震災から5年4カ月】川俣町山木屋の避難指示解除 町、目標時期巡り混迷

川俣町山木屋地区の中心部。避難指示解除を巡りさまざまな意見が出ている

 東京電力福島第一原発事故に伴う川俣町山木屋地区の居住制限、避難指示解除準備両区域を巡り、町はいったん、8月末ごろとした解除目標を撤回した。山木屋地区自治会が要望した来年3月を念頭に新たな目標を定めるが、一部に早期解除を求める声もあり町は難しい決断を迫られる。(川俣支局長・村田 利文)

 川俣町の古川道郎町長は病気療養から復帰後の5月、8月末ごろを解除目標として示した。住民と議会の了承を得て政府との交渉を終えるには最短で3カ月程度の期間が必要になると見込んだという。
 これに対し、地元自治会は住民帰還に向けたさまざまな課題を示した上で目標延期を求めた。町はこの後も、8月末ごろをたたき台に住民懇談会を開く方針だった。しかし、町議会総務産業常任委が山木屋地区の行政区長から意見を聞いた上で、「町の姿勢は解除時期ありき」「住民に課題解決の見通しを示せる状況にない」と白紙撤回を要望した。
 同常任委は住民懇談会を開く前提として、再除染、昨年9月の豪雨で被害を受けた道路や河川の復旧、農業再生などについて見通しを示すよう町に求めている。
 古川町長は「(避難指示解除は)いろんな場で議論する必要がある。住民懇談会を遅くないうちに開きたい」と話しているが、事態は膠着(こうちゃく)している。

■延期に不満の住民も

 山木屋地区自治会は除染した農地の大半が地権者に引き渡され、地域コミュニティー再生の拠点となる商業施設が完成する来年3月を解除時期として希望した。広野太会長(66)は「他の避難自治体と違い山木屋は一つの地区。農地の引き渡しが終わっていない段階で解除されれば、帰還時期に違いがでて不平等が生じる」と訴える。
 ただ、解除目標の延期に不満も出ている。7日に開かれた山木屋地区復興推進委員会では出席した住民から、「家を新築したいが施工業者は避難指示の解除を着工の条件としている」「事業再開のため3月より前に帰りたい」などとする意見が出た。町が住民の多様な声にどう応え、解除時期を決めるのか今後の行方が注目される。

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