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山木屋に新工場完成 畜産施設の設備業 杉田屋電建工業

川俣町山木屋地区に完成した杉田屋電建工業の新工場

 東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域の川俣町山木屋地区に本社を置く畜産施設の水道・電気設備業「杉田屋電建工業」の新工場が地区内に完成し、10日に現地で落成式が行われた。原発事故で避難を強いられ、仕事も激減した。紺野希予司社長(64)は「事業を継続して良かった」と復興へ踏み出せる喜びをかみしめた。
 清らかな空気に囲まれた山木屋に創業して30年。飯舘村や双葉郡の畜産農家、畜産施設の建設業者などと取引があった。原発事故で浜通りの多くが避難区域となり、65%以上の顧客を失った。
 自宅に設けていた会社事務所を町中心部に移した。一時は事業継続も危ぶまれたが、仕事を求めて社員が県外まで赴いた。長年育んできた縁だけが頼りだった。社長の自分は町、県、国の機関を回り財政支援を求めた。
 新工場は経済産業省の補助金や金融機関の融資を受け約1億円で完成させた。豚舎などの空調管理に使う制御盤の製造拠点として9月1日から稼働する。制御盤製造は社運を占う新事業だ。10日の落成祝賀会で社長は「多くの人の理解、協力、努力の成果です」と感謝を示した。
 避難先と工場を行き来しながら、来年3月末の見通しとなった避難指示解除を待つ。将来的に地元から5人程度の雇用を検討している。「山木屋の子供が働きたいと思える企業に育てたい」。地域貢献の思いを強くした。

カテゴリー:福島第一原発事故

祝賀会で地域貢献の誓いを述べる紺野社長

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