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6割が「後継技能者確保難しい」 県内企業原発事故前の2.3倍

 県が6日までに結果をまとめた産業人材育成アンケートで「後継者となる若手技能者の確保が難しい」と回答した県内企業は約6割に上り、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故前の前回調査の2.3倍となった。県は若者のものづくりに対する関心の低下に加え、復旧・復興事業関連の求人増や避難による人材の県外流出など本県特有の事情も背景にあるとみて、企業の社員採用を支援する。
 アンケートは第10次県職業能力開発計画(平成28~32年度)策定のため、人材育成や能力開発に関する県内企業の実態を把握しようと昨年12月に実施した。国の24年度経済活動センサス調査の対象となった約9万社から製造業や建設業を中心に1000社を抽出し、402社から回答を得た。
 技能継承を巡る問題を選択式(複数回答)で尋ねたところ「若手技能者の確保」を課題に挙げたのは232社(57.7%)に上り、23年1月に行った前回調査の24.6%から2倍以上に増えた。回答を寄せた企業が100社を超える主な業種別では建設業64.3%、製造業54.5%となった。
 このほか、「高い技能を持つ技能者の高齢化」の答えは189社(47.0%)、「技能の習得に時間がかかる」が187社(46.5%)とともに5割近くとなった。若い人材を雇い入れ、養成する難しさが表れている。
 県は企業の人材確保を後押ししようと今年度、県外の大学生を対象とした参加無料の工場見学会を開始した。11月までに県内6地区の計18社に案内し、製造現場の魅力を伝えている。さらに、来年3月までに人材派遣会社の社員をインターンシップ(就業体験)のアドバイザーとして企業に派遣する事業を始める方針だ。
 県産業人材育成課は「企業の体力を維持するだけでなく、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想実現のためにも若手技能者の確保、育成は喫緊の課題」としており、県立テクノアカデミー3校のカリキュラムを充実させる検討を急ぐ。

■採用支援行政に要望県内企業
 県内企業からは行政に対し、社員採用でさまざまな支援を求める声が上がっている。
 原発事故に伴う避難者が多い相双地方は今年8月の有効求人倍率が県内最高の1.91倍だった。飯舘村や南相馬市に工場を置く菊池製作所の高橋幸一取締役(54)は「ここ数年は人材争奪戦の様相で地元からの採用は難しい。来春の目標人数を確保できるか分からない」と明かす。「県は若者に地元企業の魅力を伝える機会を設けてほしい」と訴えている。
 田村市の金属部品加工業エクストエンジニアは従業員を確保できず、仕事の受注を調整している。ハローワークに求人を出したが思うように人が集まらず、11月以降にベトナム人技能実習生を10人受け入れる。渡辺輝長専務(39)は「県は地元の会社と高校生の接点を増やす工夫をしてほしい」と要望している。

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