楢葉町の秋の風物詩・木戸川のサケ漁が本格化し、15日、やな場近くで今シーズン初の「合わせ網漁」が行われた。
合わせ網漁は下流に設置した網に向かって、約100メートル上流から別な網を流してサケを追い込み捕獲する伝統の漁法。木戸川漁協の組合員約10人がサケを追い込み、平均で体長約60センチ、重さ約4キロのサケ約140匹を水揚げした。中には体長約80センチ、重さ約7キロの大物も上がった。
今年遡上(そじょう)するサケは東日本大震災が起きた平成23年やその翌年などに木戸川で自然ふ化したサケとみられ、同漁協は昨年に比べ水揚げ量は減るとみている。松本秀夫組合長(67)は「できるだけ多くのサケを捕獲し、来春の放流に向け採卵、ふ化させて大事に育てたい」と話していた。
この日は未成熟のサケが多かったため、近くの農林水産物処理加工施設で切り身やイクラのしょうゆ漬けに加工された。サケ漁は11月中旬まで行われる。
(カテゴリー:福島第一原発事故)