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農林業2年分一括賠償を拒否 県内JAグループ方針

 東京電力福島第一原発事故による農林業の損害賠償を平成29年1月以降は2年分一括で支払い、31年1月からは個別対応とする政府と東電の案について、県内5JAなどでつくるJAグループ東京電力原発事故農畜産物損害賠償対策県協議会は受け入れない方針を固めた。案は31年以降の賠償を保証していないとし、現行制度(包括請求方式)の継続を求める。政府と東電が協議会側の要望に応じるかどうかが焦点となる。
 協議会を構成する23団体のうち、ふくしま未来、福島さくら、夢みなみ、東西しらかわ、会津よつばの5JA全てが賠償案を受け入れるべきでないとする要望書をまとめた。一部のJAは協議会に提出した。残るJAも2日に提出する。
 協議会によると、賠償請求の手続きを協議会に委任した生産者計約7万1400人のうち、5JAの組合員は約6万9千人と全体の97%を占める。協議会は賠償案を受け入れないとする5JAの要望を委任者の総意と判断する方針。
 11日に福島市のJA福島ビルで開かれる臨時総会で政府と東電側に意向を伝える。JA関係者によると、東電は22日に福島市のJA福島ビルで開かれる協議会の総会で見解を示す予定。
 ただ、政府と東電が協議会の要望に応じるかどうかは不透明だ。経済産業省資源エネルギー庁原子力損害対応室の担当者は「現時点でコメントできない」とする一方、「賠償案はあくまで素案。変更しないつもりはない」と含みを持たせている。東電は「引き続き関係者から意見を聞き真摯(しんし)に協議していく」としている。
 現行は今年12月までの損害を避難区域内と避難区域外に分けて支払っている。賠償案は30年12月まで2年分の賠償はするが、31年1月以降は原発事故と相当の因果関係がある被害について個別に対応するとしている。しかし、被害を算定する具体的な基準は示されておらず、協議会は「判断基準が曖昧なため因果関係のある被害も賠償対象とならない可能性がある」として現行の制度継続を求める方針。
 29年1月以降の賠償の枠組みが決まらなければ生産活動への影響が懸念される。協議会は決定するまでの間、つなぎ資金が必要な生産者に賠償金を仮払いするよう東電に求める方針。

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