東日本大震災

「福島第一原発事故」アーカイブ

  • Check

富岡の味で活力を 25日開店の複合商業施設テナント

開店に向け総菜の試作に取り組む田中さん(右から3人目)ら従業員のお母さんと渡辺さん(左)

 富岡町の複合商業施設「さくらモールとみおか」では、25日から「おふくろフード」が懐かしい古里の家庭料理の総菜を提供する。調理を担当する町内のお母さんたちは「食を通して町の復興と住民の帰還に役立ちたい」と心を一つに準備に励んでいる。

■地元主婦が総菜販売

 「味は濃いかしら」「野菜はもう少し大きく切った方がいいかな」「パックに入れる量はこのくらい」。調理場にお母さんたちの声が響く。従業員はいずれも東京電力福島第一原発事故により、いわき市などで避難生活を送る40代から70代の主婦6人だ。
 町は来春の避難指示の解除を目指している。まとめ役の田中美奈子さん(71)=いわき市に避難=は町民の重要な生活基盤となる複合商業施設の総菜店で従業員を集めていることを知り、「自分にもできることをしたい」と応募した。
 お客さんは復興事業に携わる作業員や準備宿泊をしている町民が多いと想定している。「懐かしい家庭料理を味わってもらえれば」と、それぞれが家庭で腕を振るってきた「おふくろの味」をメニューの中心に据えた。
 「高野豆腐のお煮しめ」「サトイモ、ニンジン、シイタケなどの煮物」「ポテトサラダ」「鶏肉の唐揚げ」「きんぴらゴボウ」などの総菜、赤飯やまぜご飯のおにぎりなどを考えている。
 ただ、全員が業務用の調理器具を使って総菜を作るのは初めて。調理器具が使えるようになった22日から試作に取り組む。
 田中さんは「おふくろフードの総菜を食べたお客さんが自分の家族を思い出してくれるようなお店にしたい。懐かしい顔見知りとお店で再会するのも楽しみ」と開店を心待ちにする。
 「おふくろフード」オーナーで建設会社を経営する渡辺正義さん(65)=いわき市に避難=は「富岡のお母さんたちが頑張っている姿は町の復興に寄与するはず」と期待している。

■25日セレモニー

 複合商業施設「さくらモールとみおか」の先行オープンセレモニーは25日午前10時から催される。町や県、国、出店業者の関係者らが出席する。宮本皓一町長が式辞を述べ、テープカットし開店を祝う。
 この日から「おふくろフード」のほか、そばやうどん、定食を提供する「いろは家」、親子丼やラーメンがメニューの「浜鶏」(はまどーり)が営業を始める。

カテゴリー:福島第一原発事故

「福島第一原発事故」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧