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農林業3年分一括賠償 政府、東電 反発受け1年上乗せへ

 東京電力福島第一原発事故による農林業の損害賠償を巡り、政府と東電は2年分(年間逸失利益の2倍相当額)一括支払いとしていた平成29年1月以降の避難区域内の賠償を3年分に見直す方向で最終調整に入った。避難区域外の風評被害に関する賠償は、実際に生じた損失を支払う現行の枠組みを1年間継続する。東電は1日にも県原子力損害対策協議会に見直し案を示す。
 自民党東日本大震災復興加速化本部は30日、東電の広瀬直己社長に一括賠償期間の延長などを提言した。これを受け政府と東電は同日、見直し案の最終的な取りまとめに入った。
 一括賠償は原発事故前と同等の営農が困難になったことに伴う営農損害や風評被害などが対象。避難区域内は事故前の年間利益を3年分一括で支払い、32年以降も損害が続く場合には適切な対応の履行を明記する見通し。東電が示した2年分一括賠償案に対する農林業者の反発や、営農再開には相当の時間と資金を要する実情を考慮したとみられる。
 避難区域外の風評被害に対する賠償は、事故前との利益の差額分を支払う現在の対応を29年1月以降も1年間継続する。30年1月以降は農林業者の意向を踏まえ、29年末までに具体的な案を決める方向だ。
 JAグループは見直し案が提示された後、単位組合などに意見を求めて集約する方針。JA関係者からは、自民党復興加速化本部の申し入れ内容に損害がある限り賠償する方針や農林業の風評被害が当面継続するとの認識を明確に示すこと、との文言が盛り込まれた点を評価する声が出ている。
 東電は9月に29年1月以降の賠償案を提示した。避難区域内は原発事故前の年間利益分、避難区域外は事故前と今年の利益の差額分をそれぞれ2年分支払い、31年1月からは個別対応とする考えを示していた。
 県原子力損害対策協議会やJAグループ東京電力原発事故農畜産物損害賠償対策県協議会は31年以降の賠償を保証していないなどとし、見直しを迫っていた。

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