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利便性向上、復興後押し 相馬-浜吉田間再開 JR常磐線

JR常磐線の新地駅に入る運転再開区間の上り一番列車=10日午前6時26分ごろ

 東日本大震災の津波で線路や駅舎が被災し、不通になっていたJR常磐線の相馬-浜吉田(宮城県亘理町)駅間(23・2キロ)は10日、運転を再開した。震災から5年9カ月ぶりに相馬地方と仙台市が鉄道で結ばれた。浜通り沿岸部の住民の利便性が高まり、被災地の復興加速につながると期待される。

 列車は明るくなり始めた沿岸部を走行し、新地駅(新地町)には午前6時26分ごろ、運転再開区間の上り一番列車が到着した。多くの乗客が乗り降りしホームはにぎわった。
 新地駅では記念式典が行われた。安倍晋三首相、内堀雅雄知事、冨田哲郎JR東日本社長、加藤憲郎町長らがあいさつし、運転再開を祝った。
 新地駅は旧駅舎が津波で損壊し、以前の位置から約300メートル南西の内陸部に新設された。JRは津波被害を教訓に駒ケ嶺(新地町)-浜吉田駅間の14・6キロのうち、4割強の約6キロを高架式の線路にした。坂元-山下駅間は以前の線路より最大1・2キロ内陸に移した。
 震災の津波では新地駅の他に、富岡駅の駅舎が崩壊・流失した上、周辺の線路も被災した。JRは富岡駅の再建に向けて準備を進めている。震災の津波で被災し、再建された県内の常磐線の駅で供用が開始されたのは新地駅が初めて。
 不通の間、相双方面から仙台方面に向かう場合、相馬-亘理(宮城県亘理町)駅間のJRの代行バスや福島交通などによる相馬-仙台駅間の高速バスを利用する人が多かった。ただ、渋滞などで定時に到着できない場合があり、列車への乗り継ぎなどに支障が出ていた。再開により問題が解消され、被災地の生活環境が向上する。
 相馬地方と仙台市が1本のレールで結ばれたことで、各自治体や観光関係団体は仙台方面からの誘客に力を入れ、観光の復興や交流人口の拡大を目指す。

■31年度末 全線開通へ
 今回の運転再開で、常磐線の残る不通区間は小高(南相馬市)-竜田(楢葉町)駅間のみとなった。
 JRなどは現在、運転再開に向けた作業を進めている。小高-浪江(浪江町)駅間は平成29年春、富岡(富岡町)-竜田駅間は29年内、東京電力福島第一原発に近い浪江-富岡駅間は31年度末までの再開を目指している。

カテゴリー:福島第一原発事故

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