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第二原発廃炉 国の責任で 県議会意見書 早急な対応求める

 東京電力福島第二原発の全基廃炉に向け県議会は、政府に提出する意見書で国の責任により早期に廃炉を実現するよう強く求める。全5会派が賛同し、12日に「国は電気事業者が判断するとの見解で廃炉の見通しが立っていない」とする批判を含む主張をまとめた。一方、福島第一、第二両原発で冷却機能が停止した問題で、富岡町議会原発等特別委員会は同日、東電に抗議文を提出した。

 本県沖で11月に発生したマグニチュード(M)7・4の地震により福島第二原発3号機の使用済み燃料プールの冷却機能が停止したことなどを受け、県議会が政府に提出する意見書の要旨は【下記】の通り。
 地震による冷却系のトラブルで県民は不安な生活を送っているとした上で、廃炉について、いまだに実現の見通しが立っていないと指摘。原発のトラブルが風評払拭(ふっしょく)、住民帰還などに水を差し、復興の足かせになっていると訴えている。
 意見書は自民党、民進党・県民連合、共産党、公明党、ふくしま未来ネットの各会派の議員代表の連名で、13日に議会運営委員会に提出する。企画環境委員会での審議を経て、21日の最終本会議で可決後、安倍晋三首相や世耕弘成経済産業相、衆参両院議長に送付する。
 県議会は平成23年の9月定例会で県内全原発の廃炉を求める請願を採択し、廃炉は県民の総意であるとの考えを明確にした。その後、25年2月定例会、同年9月定例会、27年9月定例会で全基廃炉を求める意見書を可決した。
 しかし、安倍首相をはじめ関係閣僚は福島第二原発について「県民の心情を察すると他の原発と同列に扱うのは難しい」との見解を示す一方、廃炉に関しては「今後のエネルギー政策などを踏まえ、事業者が判断する」などとしている。原発事故から5年9カ月が経過した今なお、存廃の方向性が決まっていない。
 県議会はこうした国の姿勢について「東電任せだ」として、責任を持って廃炉を実現するよう重ねて求める考えだ。


【東京電力福島第二原子力発電所の全基廃炉を強く求める意見書の要旨】

 平成28年11月22日午前5時59分ごろ、福島県沖を震源とするマグニチュード7.4の地震が発生し、福島、茨城、栃木の3県で震度5弱を観測した。福島第二原発3号機では使用済み核燃料プールの冷却機能が一時停止し、プール内の水温が0.2度上昇する事態に陥った。県民は現在も続く余震とともに、東日本大震災時の原発事故の記憶を思い起こし、不安な生活を送っている。
 県議会は平成23年9月定例会で、県内全ての原発の廃炉を求める請願を採択し、県民の総意として、国へ対して幾度となく廃炉の実現を強く求めてきたが、国は廃炉について、一義的には電気事業者が判断するとの見解であり、いまだに実現の見通しが立っていない。繰り返される原発のトラブルによって、風評払拭(ふっしょく)をはじめ住民の帰還など、さまざまな取り組みに水を差し、早期復興の足かせとなっている。
 国は、現在存廃が未定となっている福島第二原発の全基廃炉を国の責任で早期に実現することを強く要望する。

■富岡町議会特別委は抗議文

 富岡町議会原発等特別委員会が東電に提出した抗議文では、福島第一、第二両原発の安全性強化と職場環境の整備、立地自治体への迅速・正確な通報連絡に関する改善策を来年1月末までに示すよう求めた。
 抗議文は今回の問題が町民の多くに不安を与え、故郷への思いを消し去ってしまう重大な過失と指摘。東電の廃炉作業に対する緊張感の欠如と、社内外の連携・連絡不備が要因になったと非難した。
 特別委員会の宇佐神幸一委員長が郡山市の町役場郡山事務所で、東電の石崎芳行福島復興本社代表に抗議文を手渡した。石崎代表は「町民の気持ちを重く受け止め、しっかり対応していく」と述べた。

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