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小高米で復興日本酒 郡山の仁井田本家 有機農家を支援

小高で採れた「雄町」を手にする仁井田社長

 郡山市の仁井田本家は南相馬市小高区の有機栽培の酒米「雄町(おまち)」を使った日本酒造りに乗り出す。東京電力福島第一原発事故からの風評被害に苦しむ有機農家の支援を目的にした取り組み。仁井田穏彦社長(51)は希望の粒となる収穫米を手に「県内農家の思いの詰まった復興酒として多くの県民に味わってほしい」と話している。
 「雄町」は「山田錦」と並ぶ酒米の"横綱"。岡山県が主産地であるため、仁井田社長は浜通りの温暖な気候が生かせると見込んだ。全量買い取りの契約を結んだ南相馬市小高区の有機農家根本洸一さん(79)が約40アールに作付けし約1300キロを収穫した。
 根本さんは酒米栽培は初めての挑戦だったが「買ってもらえると思うと安心して作付けできた。希望が湧いてきた。コシヒカリなどと比べ穂が出る時期が遅いなど勝手が違ったが楽しかった」と振り返った。
 酒米は丈が高く伸び、穂が倒れやすいためしっかり根付くよう田植えから丁寧に育てた。「収量もまあまあだった」と手応えを感じ、「みんなに飲んでもらえるお酒になると思うとうれしい」と喜んでいる。
 小高区では警戒区域が解除された平成24年から稲作の試験栽培、26年から実証栽培が行われている。県相双農林事務所によると、28年の作付面積は6ヘクタールで震災前のごく一部にとどまっている。根本さんは「良質な酒米栽培が普及すれば農家の営農再開に弾みがつく」と期待を寄せる。
 小高の「雄町」を使った日本酒は来年1月下旬に仕込む。2月末に新酒ができる予定だという。仁井田社長は「粒張りのあるいいコメが採れた。県内の腕のいい農家が作った県産米の日本酒を県民が楽しみ、チーム福島で復興を後押ししていきたい」と張り切っている。
 仁井田本家は震災後、風評被害に苦しむ県内の有機農家から積極的に酒米を購入するなど復興支援活動を続けている。福島民報社の第2回ふくしま経済・産業・ものづくり賞(ふくしま産業賞)で金賞を受賞した。

カテゴリー:福島第一原発事故

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