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鮮度、うま味評価表示 品質の高さ発信へ 本県沖魚介類

 本県沖での本格的な操業と水産物の需要拡大に向け、県は平成29年度から魚介類の「鮮度」や「うま味」の成分を調べた評価を商品に示し、消費者や市場関係者に分かりやすくアピールする。ヒラメやカレイなど東京電力福島第一原発事故前に「常磐もの」と呼ばれ高値で取引されていた主要魚種で試験的に始め、対象を順次拡大する。

 本格操業を開始するには供給量の増加に需要が耐えられるよう、原発事故で失われた販路を回復するとともに消費者の購買意欲を高めなくてはならない。放射性物質の検査結果を記した安全・安心情報の発信に加え、新たな手法で水産物の魅力を知らせる必要があると判断した。
 まず、水揚げした魚介類の中から数検体を抽出してすり身にし、専用の測定器でサンプリング分析する。評価は鮮度が細胞のエネルギー源となるアデノシン三リン酸の分解率を、うま味はグルタミン酸やイノシン酸などの含有率を基にする。数値から鮮度やうま味を複数段階で評価し、魚介類や加工品にシールを貼る表示方法を検討している。
 情報の信頼度を高めるため、船上や市場、販売店など流通の各段階でも測定する方針。さらに流通段階で調べた鮮度の変化を分析し、新鮮さを保つための技術開発につなげる。
 県は29年度政府予算案に関連費用として計上された約3900万円を財源とする予定で、同年度当初にも県漁連や各漁協などを対象に事業の委託先を募る。
 また、資源に配慮して取った水産物に与えられるエコラベルの認証取得も促し、商品に表示して鮮度やうま味、環境への配慮を一体的にPRする。
 県漁連の野崎哲会長は「県産水産物の品質を県内外に周知しやすくなる」と事業に期待する。福島市に本社を置くスーパー・いちいの菊地和巳商品部長は「地元企業として協力したい」としている。
 県水産課は「鮮度やうま味を数値化すれば消費者が商品を選ぶ際の選択肢の一つとなる。県産水産物の競争力強化につなげたい」としている。

■今年の放射性セシウム検査 初の基準超ゼロ
 本県沖での試験操業は今月で開始から4年半を迎えた。水揚げ量は年々増加し、平成28年は24年の10倍以上の約1900トン(11月末現在)となった。各漁協は水揚げされた水産物の放射性物質検査で食品衛生法の基準(1キロ当たり100ベクレル)よりも厳しい独自の基準を設け、1キロ当たり50ベクレル以下を出荷している。
 県によると、本県沖の魚介類を対象とした県の放射性セシウム検査で、28年に公表した8596点全てが基準値を下回った。基準値超の検体数は検査を始めた23年以降減少傾向にあり、28年に初めてゼロとなった。

カテゴリー:福島第一原発事故

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