東日本大震災

「「3.11」から5年-復興を問う」アーカイブ

再建計画に壁(5)葛尾 柔軟さ欠く交付金 事業展開に遅れも

葛尾村落合地区の復興交流館建設予定地。当初計画では造成工事が行われているはずだったが、手つかずのままだ=2日
 帰還困難区域を除く避難区域が6月に解除された葛尾村は復興計画「かつらお再生戦略プラン」に基づき、復興拠点とした村中心部の落合地区に住民や観光客らの交流の場となる復興交流館などを設け、にぎわいの創出を目指している。  目玉施設だった復興交流館は今年1...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

再建計画に壁(4)飯舘 宙に浮くミニ拠点 住民反発、村は板挟み

 飯舘村の長泥行政区は村南端に位置し、人口は約260人。東京電力福島第一原発事故により村内で唯一帰還困難区域に設定された。他の19行政区は居住制限区域か避難指示解除準備区域で、平成29年3月末に避難指示が一斉に解除される。居住制限区域の深谷行政区内で...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

再建計画に壁(3)大熊 国、横並びに固執 個別事情考慮せず

 東京電力福島第一原発1~4号機が立地する大熊町は、町の62%の地域が帰還困難区域に設定され、現在も全町避難が続く。  空間放射線量が高い地域をどう再生させるか。原発事故発生以来の難題に対し、政府は8月、帰還困難区域内に居住可能な「復興拠点」を整備し...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

再建計画に壁(2)浪江 「財源支援なければ」 実現不安焦る自治体

 海岸近くに並ぶロボットテストフィールド、国際産学連携拠点、風力などの再生可能エネルギー拠点、復興祈念公園候補地...。浪江町の復興計画には新生福島を象徴する大型施設がひしめく。  事業実現には巨額の建設費用がかかる。町は国の交付金が充てられると見込...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

再建計画に壁(1)浪江 「人手が足りない」 応援、自助努力は限界

復興の拠点となる浪江町役場。帰町へ向けて職員は膨大な業務に追われている
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で全町避難が続く浪江町。町内では来年春の帰町開始に向けた動きが本格化している。しかし、副町長の本間茂行(44)は町役場机上の書類の山を見つめ表情を曇らせていた。  町は第2次復興計画の策定を進めている。当面の生...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

事業展開に壁(5) 工場稼働に期限 柔軟さ欠く立地補助

造成工事が急ピッチで進む川内村の田ノ入工業団地(黄色の枠内)。企業立地補助金を受けるには平成30年3月までに操業しなければならない
 国の津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金は、避難指示解除区域に進出する中小企業であれば工場の新増設費の最大3分の2を国が面倒をみる。工場立地のための初期投資や土地取得費、建物や機械設備の取得費など適用範囲が広い。経済産業省によると、9月末...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

事業展開に壁(4) 行政支援最初だけ 「バブルもう終わる」

農地除染のバブル後を見据え、水稲面積の拡大を目指す佐藤=南相馬市
 植物工場は農林水産省や経済産業省が平成21年から導入補助や研究開発支援に乗り出したことがきっかけとなり、全国で増えている。県内では東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後に7つ増え、計17施設になった。ただ、「照明を使う人工光型の植物工場は電気代が...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

事業展開に壁(3) 想定外の電気代負担 必要設備導入補助なし

南相馬市にあるソーラー・アグリパークの植物工場。電気代などの経費がかさみ、佐藤は撤退を決めた
 南相馬市原町区の津波被災地に2つの大きなドームがある。南相馬ソーラー・アグリパークの植物工場だ。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの農業再生のシンボルとして市が土地を買い上げ、国の復興交付金1億1500万円を使って建設した。  市内の農業法...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

事業展開に壁(2) いびつな補助制度 再開企業の安定遠く

楢葉町でプロパンガスの供給を続ける猪狩。事業を再開した企業に対する支援に乏しいと感じている
 「事務所で経営状況を聞かせてほしい」。東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域が設定された12市町村の事業者を支援する福島相双復興官民合同チームから今年に入り、楢葉町のガス会社「ナラハプロパン」社長の猪狩昌一(42)のもとに連絡があった。  日程調整...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

事業展開に壁(1) 商圏戻らず経営難 小売業に支援薄く

ナラハプロパンの顧客宅にあるガスメーターにくくり付けられた他社のビラ。帰還する住民への営業攻勢が激しさを増している
 「住民が戻ってこないと小売業は成り立たない。しかし、赤字でもガスの供給を続けなければ住民は戻ってこない」  楢葉町のガス会社ナラハプロパン社長の猪狩昌一(42)は、東京電力福島第一原発事故による避難指示が解除された町で小売業を再建する難しさとライフ...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

制度に揺れる(5) 国、原則論に終始 求められる政治の力

 国会内の一室に2月中旬、与野党の国会議員が集まった。東京電力福島第一原発事故の被災者を支える子ども・被災者支援法の政策を確実に実現していくために発足した超党派の議員連盟の会合が開かれた。  この日は被災者団体メンバーと意見を交わした。避難区域外から...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

制度に揺れる(4) 法的担保どこへ 医療費無料化 見通せぬ財源確保

 「お大事にどうぞ」。診察を終えた子どもが母親らと手をつなぎ、次々と診療所を後にする。  3月初旬。インフルエンザが流行する中、小児科のある福島市のいちかわクリニックには朝からひっきりなしに患者が訪れていた。子どもの付き添いで来た福島市の会社員高橋紀...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

制度に揺れる(3) 「いつまでここに」 みなし仮設 公営住宅化認めず

 「いつまでここにいられるのか」。浪江町の避難指示解除準備区域から福島市の借り上げアパート(みなし仮設住宅)に避難する無職栃本光子(80)は住み慣れた部屋でため息をつく。  山形県や仙台市の親族宅を転々とし、平成23年4月に現在の避難先に落ち着いた。...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

制度に揺れる(2) 転居、改築できず 仮設住宅の劣化に苦悩

 川俣町体育館脇の仮設住宅で暮らす無職菅野二郎(77)は室内の黒ずんだ壁を見詰め、「あっという間にかびてしまう」とため息をついた。  東京電力福島第一原発事故に伴う避難指示解除準備区域の同町山木屋地区から避難し、妻と2人で4畳半2部屋の仮設住宅に入っ...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

制度に揺れる(1) 公営住宅に入れず 楢葉の原発避難 対象外

 「この先、住まいはどうなるのか」。楢葉町から会津美里町に避難している40代の母親は不安が消えない。  楢葉町に出されていた避難指示は昨年9月に解除されたが、会津美里町の仮設住宅では今なお約150人が避難生活を送る。高齢者中心だが、小中学校に通う子ど...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

「霞が関」の都合(12) 復興庁の将来 問われる政治の力

衆院予算委で答弁する安倍(右)。復興庁の機能発揮へ不断の見直しを誓う=19日
 「中間貯蔵施設や東京電力福島第一原発の廃炉を担う『福島復興庁』の創設を目指したい」。昨年10月、東京都内で行われた県町村会役員と県関係国会議員の意見交換で議員の一人が構想を打ち上げた。  廃炉は30~40年かかるとされ、県内の復興は終点が見えない。...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

「霞が関」の都合(11) 担当者の交代 覆される事業計画

公道と民家の敷地を結ぶ未舗装の私道。山間部にはこうした道が多い
 避難区域を抱える町の復興担当職員は、未着手となっている復旧復興事業の一覧に目をやり、ため息をついた。頭を悩ますのは避難区域内の公道と民家の敷地を結ぶ私道の舗装化だ。復興庁の新しい担当者が難色を示し、着工の見通しが立たない。  平成25年度、町は当時...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

「霞が関」の都合(10) 短期異動が足かせ

 「政府の人事は長くて2年。この5年間、福島の問題に継続して向き合ってきた人は私の知る限り1人だけだ。復興庁の事務次官以外はみんなポジションが変わった」  今月9日、福島市内で開かれた県中小企業団体中央会の会合で講演した知事の内堀雅雄は「(新任者に)...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

「霞が関」の都合(9) 二度手間の要望活動 ワンストップ機能せず いら立ち募る首長

昨年12月に復興庁を訪れ、復興相・高木毅(左)に要望事項を説明する伊沢(中央)
 双葉町長の伊沢史朗は昨年12月、要望書を手に東京・霞が関をひたすら回った。復興庁をはじめ内閣府、環境省、国土交通省、経済産業省、文部科学省、厚生労働省...。行く先々で「復興を町民に目に見える形で示したい」と訴えた。  町が昨年3月に策定した「町復...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

「霞が関」の都合(8) 司令塔なり切れず 消極姿勢の復興庁

1月の復興推進委員会であいさつする高木復興相。復興庁のリーダーシップが求められている
 森林除染を求める県内の関係団体の要望に、歴代の復興相は一定の理解を示してきた。しかし、対応は環境省に委ねた。  その結果、昨年12月、環境副大臣の井上信治が「森林を全て除染するのは困難」と発言。地元の反発を受け環境、農林水産、復興3省庁のプロジェク...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

「霞が関」の都合(7) 責任の所在見えず

 「本当に組織として機能するのか。看板倒れにならないといいが」。川俣町で建設業を営む大内秀一(68)は復興、環境、農林水産3省庁による「福島の森林・林業の再生のための関係省庁プロジェクトチーム(PT)」が手掛ける森林再生の行く末を案じる。  大内は避...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

「霞が関」の都合(6) 試される3省庁の力量 主導権は財務省に

森林再生のために発足した省庁連携のプロジェクトチーム。財源確保が鍵となる=5日午後、復興庁
 5日に東京で開かれた復興、環境、農林水産3省庁による作業チーム「福島の森林・林業の再生のための関係省庁プロジェクトチーム」の初会合。復興相の高木毅、環境相の丸川珠代、農林水産相の森山裕が顔をそろえ、約40分にわたり森林除染や林業再生対策の方向性など...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

「霞が関」の都合(5) 森林再生めぐり地元反発 崩れた既定路線

県土の7割を占める山林のどこまでが除染対象となるのか。県民は注視している=伊達市霊山町小国地区
 8日夜、東京都内のホテルの一室。森林除染の徹底を求め、環境省などへの要望活動を終えた県森林組合連合会の役員と元復興相の根本匠(衆院本県2区)が顔をそろえていた。「あの発言は逆に良かったかもしれないな」。そんな言葉が飛び出した。  その発言は昨年12...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

「霞が関」の都合(4) 工程表策定へ焦り 公有地提供は尚早

丸川は12日の記者会見で中間貯蔵施設整備の工程表の必要性は認めたが、内容などには触れなかった
 「中間貯蔵施設整備のため、公有地の提供を検討してほしい」。環境省福島環境再生事務所の幹部は1月下旬、郡山市で開かれた双葉地方広域市町村圏組合の管理者会議で切り出した。初めての申し入れに、大熊町長の渡辺利綱は「今はまだその段階ではない」と断った。  ...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

「霞が関」の都合(3) 用地取得 長期化の様相 迅速さ欠く算定 加速策も効果不透明

大熊町にある中間貯蔵施設の建設予定地。地権者交渉は長期化の様相を見せる
 「ここに庭木があるはずだ。子どもの入学記念で植えたんだから間違いない」。中間貯蔵施設の用地交渉に当たる環境省担当者(57)は昨年秋、地権者から指摘を受けた。  担当者は自宅の補償金の算定額を伝えるため避難先の地権者宅を訪れていた。後日、あらためて調...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

「霞が関」の都合(2) 用地交渉 人材難 国交、出向6人だけ 各省庁の支援に限界

相馬市と福島市を結ぶ115号国道バイパス「相馬福島道路」では国土交通省磐城国道事務所職員らが現場確認に当たる=相馬市
 「人員を増強するなど、できることは全てやる。(用地取得で)行き詰まっているところを解消していく」。今月5日の閣議後の記者会見で環境相の丸川珠代は難航している中間貯蔵施設の用地交渉を加速させるため、あらゆる手段を講じると強調した。  自然環境保護や地...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

「霞が関」の都合(1) 進まぬ中間貯蔵整備 環境省でいいのか 

環境省が入る東京・霞が関の合同庁舎。中間貯蔵施設の用地取得を急ぐが、成果はなかなか上がらない
 自民党東日本大震災復興加速化本部長の額賀福志郎をはじめ閣僚経験者ら数人が1月上旬、国会内の一室に集まった。いら立ちをあらわにしていた。「中間貯蔵施設の用地取得に時間がかかりすぎている。政治主導で加速させないとだめだ」。環境相・丸川珠代と環境副大臣・...[記事全文

カテゴリー:「3.11」から5年-復興を問う

1